- 追加された行はこの色です。
- 削除された行はこの色です。
*&ruby(かとり){【香取】}; [#r6cd74b9]
+大日本帝国海軍[[前ド級]][[戦艦]]「香取」。~
+[[大日本帝国海軍>日本軍]][[前ド級]][[戦艦]]「香取」。~
明治時代後期の[[日露戦争]]開戦直前、英国に発注・建造された艦で、姉妹艦に「[[鹿島>かしま]]」がある。~
~
日本海軍は当時、[[仮想敵国]]であったロシアに対抗すべく、戦艦6隻・[[装甲巡洋艦>巡洋艦]]6隻からなる「六六艦隊」と呼ばれる艦隊整備計画を立て、6隻の戦艦（[[富士>ふじ]]型2隻・[[敷島]]型4隻）を調達したが、その時点でロシアは既に12隻の戦艦を擁し、更に新鋭艦を順次建造中であった。~
この情報をつかんだ日本政府は、「[[三笠]]」を凌駕する戦艦の追加調達を決定し、当時英国で建造中であった「キング・エドワード�酸ぁ弋�[[戦艦]]をベースとした艦を発注した。~
~
本艦は、火力増強策として主砲・副砲に加えて「中間砲」と呼ばれる砲が搭載され、また、主砲・副砲も[[三笠]]より砲身長を伸ばして破壊力を増す設計となっていた。~
~
発注当時、日露戦争開戦直前ということもあって建造が急がれたが、竣工して日本へ回航されたときには既に日露の講和が成立しており、日露戦争には間に合わなかった。~
しかし、その時には戦闘や事故で日本海軍の実働戦艦は3隻（[[富士>ふじ]]、[[敷島]]、朝日）にまで減っており((八島と初瀬は老鉄山沖で[[機雷]]に触れて沈没。[[三笠]]は佐世保軍港停泊中、水兵の失火から火薬庫が爆発して沈没していた。))、本艦と「鹿島」は貴重な戦力として重宝された。~
しかし、その時には戦闘や事故で日本海軍の実働戦艦は3隻（[[富士>ふじ]]、[[敷島]]、朝日）にまで減っており((八島と初瀬は老鉄山沖で[[機雷]]に触れて沈没。[[三笠]]は佐世保軍港停泊中、水兵の失火から火薬庫が爆発して沈没していた（後に引き揚げられ、[[艦隊]]に復帰した）。))、本艦と「鹿島」は貴重な戦力として重宝された。~
~
その後、[[ド級>ドレッドノート(戦艦)]]・[[超ド級]]と続く戦艦の進化によって旧式化したが、[[第一次世界大戦]]における南洋群島警備や1920年のシベリア出兵支援任務などで活躍した。~
また、1921年には皇太子殿下（後の昭和天皇）のヨーロッパ歴訪に際し、その乗艦として使用された。((姉妹艦の鹿島も随伴艦として参加している。))~
また、1921年には皇太子殿下（後の昭和天皇）のヨーロッパ歴訪に際し、その乗艦として使用された((姉妹艦の鹿島も随伴艦として参加している。))。~
~
1923年、[[ワシントン海軍軍縮条約]]の発効によって廃棄対象とされ、除籍・解体された((このうち、姉妹艦の「鹿島」の[[砲塔]]は東京湾要塞千代ヶ崎砲台で要塞砲として活用された。))。~
1923年、[[ワシントン海軍軍縮条約]]の発効によって廃棄対象とされ、除籍・解体された((このうち、姉妹艦の「鹿島」の[[砲塔]]は東京湾[[要塞]]千代ヶ崎砲台で要塞砲として活用された。))。~
~
|>|>|CENTER:''性能諸元''|
|艦名|CENTER:香取|CENTER:鹿島|
|常備[[排水量]]|CENTER:15,950t（計画）&br;15,975t（竣工時）|CENTER:16,400t|
|全長|CENTER:139.07m|CENTER:143.26mまたは144.35m|
|垂線間長|CENTER:128.02m|CENTER:129.54mまたは128.02m|
|水線幅|CENTER:23.77m|CENTER:23.81mまたは28.83m|
|深さ|>|CENTER:13.41m|
|吃水|CENTER:8.23m|CENTER:8.12mまたは8.03m|
|[[喫水]]|CENTER:8.23m|CENTER:8.12mまたは8.03m|
|主缶|>|CENTER:ニクローズ式罐・石炭専焼×20基|
|主機|>|CENTER:直立型3段膨張4気筒蒸気レシプロ機関×2基|
|推進器|>|CENTER:2軸（120rpm）|
|機関出力|CENTER:16,000hp（計画）&br;16,320hp（竣工時）|CENTER:15,600hp|
|[[燃料]]|CENTER:石炭：1,857t|CENTER:石炭：2,007t|
|最大速力|CENTER:18.5ノット（計画）&br;20.2[[ノット]]（竣工時）|CENTER:18.5ノット（計画）&br;19.2ノット（竣工時）|
|[[航続距離]]|>|CENTER:10,000浬（10ノット）|
|兵員|>|CENTER:850名（竣工時）&br;815名（1920年）|
|兵装&br;（竣工時）|>|CENTER:アームストロング1904年型 45口径30.5cm連装砲×2基&br;ビッカース1905年型 45口径25.4cm単装砲×4基&br;エルジック1900年型 45口径15.2cm単装砲×12基&br;エルジック1894年型 40口径7.6cm単装速射砲×16基&br;オチキス 47mm単装砲×3基&br;45cm水中[[魚雷]]発射管×5門|
|兵装&br;（1920年）|毘式30cm砲×4門&br;毘式25cm砲×4門&br;毘式15cm砲×12門&br;四一式8cm砲×8門（4門子砲）&br;1号8cm砲×6門&br;四一式短8�冕ぁ�2門&br;麻式6.5mm機砲×3挺&br;水中発射管×5門&br;[[探照灯]]×6基|安式30cm砲×4門&br;安式25cm砲×4門&br;安式15cm砲×12門&br;四一式8cm砲×8門（4門子砲）&br;1号8cm砲×6門&br;四一式短8cm砲×2門&br;麻式6.5mm機砲×3挺&br;水中発射管×5門&br;探照灯×6基|
|搭載艇&br;（1922年）|56ftペデットボート（艦載水雷艇）×2隻&br;36ft小蒸気船×1隻&br;40ftランチ×1隻&br;32ftピンネース×1隻&br;30ftカッター×3隻&br;30ft通船×1隻&br;27ft通船×1隻&br;20ft通船×1隻|56ftペデットボート（艦載水雷艇）×2隻&br;36ft小蒸気船×1隻&br;40ftランチ×1隻&br;32ftピンネース×1隻&br;30ftカッター×3隻&br;30ft通船×2隻&br;20ft通船×1隻|
|搭載艇&br;（1922年）|56ftペデットボート（艦載[[水雷艇]]）×2隻&br;36ft小蒸気船×1隻&br;40ft[[ランチ>内火艇]]×1隻&br;32ftピンネース×1隻&br;30ft[[カッター>カッターボート]]×3隻&br;30ft通船×1隻&br;27ft通船×1隻&br;20ft通船×1隻|56ftペデットボート（艦載水雷艇）×2隻&br;36ft小蒸気船×1隻&br;40ftランチ×1隻&br;32ftピンネース×1隻&br;30ftカッター×3隻&br;30ft通船×2隻&br;20ft通船×1隻|
|[[装甲]]|>|CENTER:舷側：228.6mm〜152.4mm KC鋼&br;甲板：76.2mm〜50.8mm&br;主[[砲塔]]：304.8mm〜127mm&br;砲郭：228.6mm&br;司令塔：228.6mm|
~
|>|>|>|>|>|>|CENTER:''同型艦''|
|CENTER:艦名|CENTER:主造船所|CENTER:起工|CENTER:進水|CENTER:竣工|CENTER:除籍|CENTER:備考|
|CENTER:香取|ヴィッカース社&br;バロー造船所|1904.4.27|1905.7.4|1906.5.20|1923.9.20|1924.11.解体|
|CENTER:鹿島|アームストロング社&br;エルジック造船所|1904.2.29|1905.3.22|1906.5.23|~|~|
~
+大日本帝国海軍[[二等（軽）巡洋艦>軽巡洋艦]]「香取」。~
1930年代後半、海軍士官候補生の海上実習教材として設計・建造された訓練用[[巡洋艦]]。~
姉妹艦に「[[鹿島>かしま]]」「香椎」「橿原」がある((このうち、香椎・橿原は海軍初級士官の大量採用を見越して追加発注された艦であるが、橿原は対米開戦に伴ってキャンセルされ、香椎も竣工したものの、練習艦としては使用されなかった。))。~
1930年代後半、海軍[[士官候補生]]の海上実習教材として設計・建造された訓練用[[巡洋艦]]。~
姉妹艦に「[[鹿島>かしま]]」「香椎」「橿原」がある((このうち、香椎・橿原は[[海軍初級士官>尉官]]の大量採用を見越して追加発注された艦であるが、橿原は対米開戦に伴ってキャンセルされ、香椎も竣工したものの、練習艦としては使用されなかった。))。~
~
それまで海軍では、幹部教育機関である「[[海軍兵学校>海軍兵学校（日本）]]」「海軍機関学校」「海軍経理学校」を卒業した少尉候補生((この他、海軍が医学生に奨学金を貸し付けて軍医としてスカウトし、軍医中尉に任官された者若干名も「研究乗組軍医」という資格で参加していた。&br; なお、同じように在学中に奨学金の貸し付けを受け、卒業後に技術将校としてスカウトされた学生は、海軍（技術）少尉任官後、すぐに現場で実習に入るため、遠洋航海には参加しなかった。))たちの海上実習「遠洋航海」を、第一線を退いて[[海防艦]]になっていた[[装甲巡洋艦>巡洋艦]]で「練習艦隊」を編成して行ってきたが、いずれの艦も明治時代に設計・建造された艦であるため、船体・機関・装備品の老朽化・陳腐化が著しく、実習の「教材」には適さなくなりつつあった。~
一方で、これら老朽装甲巡洋艦は喫水の浅さを活用して、中国大陸方面に展開する河用[[砲艦]]部隊の「[[旗艦]]」に転用することも考えられていたため、代替となる実習用艦船の建造が計画された。これが本艦型である。~
それまで海軍では、幹部教育機関である「[[海軍兵学校>海軍兵学校（日本）]]」「海軍機関学校」「海軍経理学校」を卒業した[[少尉候補生>士官候補生]]((この他、海軍が医学生に奨学金を貸し付けて軍医としてスカウトし、軍医中尉に任官された者若干名も「研究乗組軍医」という資格で参加していた。&br; なお、同じように在学中に奨学金の貸し付けを受け、卒業後に技術士官としてスカウトされた学生は、海軍（技術）少尉任官後、すぐに現場で実習に入るため、遠洋航海には参加しなかった。))たちの海上実習「遠洋航海」を、第一線を退いて[[海防艦]]になっていた[[装甲巡洋艦>巡洋艦]]で「練習艦隊」を編成して行ってきたが、いずれの艦も明治時代に設計・建造された艦であるため、船体・機関・装備品の老朽化・陳腐化が著しく、実習の「教材」には適さなくなりつつあった。~
一方で、これら老朽装甲巡洋艦は[[喫水]]の浅さを活用して、中国大陸方面に展開する河用[[砲艦]]部隊の「[[旗艦]]」に転用することも考えられていたため、代替となる実習用艦船の建造が計画された。これが本艦型である。~
~
設計に当たっては、戦闘任務への投入を想定していなかったことと予算の制約から、動力が[[タービン>蒸気タービン]]と[[ディーゼル>ディーゼルエンジン]]との併用とされ、速力も低く抑えられた。~
船体は商船型構造とされ、候補生の居住施設や実習用の多種多様な兵装が搭載されていた。~
また、本艦が配備される「練習艦隊」には、遠洋航海の際にコース上の各国の主要な港に寄港して、候補生の見聞を広める((当時、多くの日本人にとって海外渡航は「一生に一度あるかないか」の特別なイベントであった。))とともに帝国の「親善使節」となる役割もあったため、艦隊指揮官が執務する長官公室は[[戦艦]]並みの豪華な内装とされていた。~
船体は商船型構造とされ、[[候補生>士官候補生]]の居住施設や実習用の多種多様な兵装が搭載されていた。~
また、本艦が配備される「練習艦隊」には、遠洋航海の際にコース上の各国の主要な港に寄港して、[[候補生>士官候補生]]の見聞を広める((当時、多くの日本人にとって海外渡航は「一生に一度あるかないか」の特別なイベントであった。))とともに帝国の「親善使節」となる役割もあったため、艦隊指揮官が執務する長官公室は[[戦艦]]並みの豪華な内装とされていた。~
~
しかし、本艦が就役した頃には欧州ですでに[[第二次世界大戦]]が開戦しており、また、日米関係も悪化しつつあるという極めて危険な情勢だったため、それまでのように候補生を遠く欧米へ派遣する((それまでの遠洋航海は年度によって「欧州コース」「北米コース」「豪州コース」「世界一周コース」があった。))ことができず、1940年に一度だけ行われた練習航海((香取と鹿島が参加。香椎は未就役だった。))も日本近海のみにとどまった((当初は中国大陸沿岸へ向かう予定だったが、江田島の[[兵学校>海軍兵学校（日本）]]を出港後、横須賀に寄港したところで打ち切られた。&br; なお、このとき乗艦していた候補生は横須賀から列車で東京へ向かい、皇居に参内した後、そのまま部隊へ配属された。))。~
しかし、本艦が就役した頃には欧州ですでに[[第二次世界大戦]]が開戦しており、また、日米関係も悪化しつつあるという極めて危険な情勢だったため、それまでのように候補生を遠く欧米へ派遣する((それまでの遠洋航海は年度によって「欧州コース」「北米コース」「豪州コース」「世界一周コース」があった。))ことができず、1940年に一度だけ行われた練習航海((香取と鹿島が参加。香椎は未就役だった。))も日本近海のみにとどまった((当初は中国大陸沿岸へ向かう予定だったが、江田島の[[兵学校>海軍兵学校（日本）]]を出港後、横須賀に寄港したところで打ち切られた。&br; なお、このとき乗艦していた[[候補生>士官候補生]]は横須賀から列車で東京へ向かい、皇居に参内した後、そのまま部隊へ配属された。))。~
その後、練習艦隊が廃止されたため各艦とも[[連合艦隊]]に組み込まれたが、設計上、戦闘任務への投入が想定されていなかったため、火力・速力・[[装甲]]防御が大きく劣っており、あまり活動できなかった((そのため、開戦当初は連合艦隊隷下[[艦隊]]（香取は第6艦隊、鹿島は第4艦隊、香椎は南遣艦隊）の[[旗艦]]として、各艦隊の根拠地に単独で繋留されていたという。))。~
~
|>|CENTER:''性能諸元''|
|[[排水量]]&br;（軽荷/[[基準>基準排水量]]/[[公試>公試排水量]]/[[満載>満載排水量]]）|5,166t/5,890t/6,352t/6,753t|
|軽荷[[排水量]]|5,166t&br;5,400t（軽荷補填）|
|[[基準排水量]]&br;（計画/公表値）|5,830tまたは5,890t/5,800t|
|[[公試排水量]]|6,352t|
|[[満載排水量]]|6,753t|
|全長|133.50m|
|水線長|130mまたは129.77m（公試状態）|
|垂線間長|123.50m|
|全幅|15.95m|
|水線長|130m/129.77m（公試状態）|
|最大幅|16.7m|
|水線幅|15.95m|
|深さ|10.5m|
|吃水|5.76m (竣工時公試）&br;6.04m（竣工時満載）|
|[[喫水]]|5.76m (竣工時公試平均）&br;6.04m（竣工時満載）|
|主缶|ホ号艦本式重油専焼水管缶（空気余熱器付）×3基|
|主機|艦本式タービン（高低圧2段減速）×2基（4,400hp）&br;艦本式22号10型[[ディーゼル機関>ディーゼルエンジン]]×2基（3,600hp）&br;（フルカン・ギア連結）&br;推進器×2軸（直径：2.800m、ピッチ：2.580m）|
|機関出力|8,000hp|
|燃料|重油：600t|
|最大速力|18.0[[ノット]]|
|[[航続距離]]|7,000nm（12kt（計画））|
|乗員|士官・水兵315名+候補生275名|
|兵装|三年式50口径14cm連装速射砲×2基4門&br;八九式40口径12.7cm連装[[高角砲>高射砲]]×1基2門((鹿島・香椎は対潜掃討艦改装時に左右舷各1基増設。))&br;六年式53cm連装[[魚雷]]発射管×2基4門((鹿島・香椎は対潜掃討艦改装時に撤去。))（六年式魚雷×4本）&br;九六式25mm連装機銃×2基4挺((鹿島・香椎は対潜掃討艦改装時に25mm3連装機銃を4基増設。))&br;九六式110cm[[探照灯]]改×12基&br;5cm単装砲（[[礼砲]]用）×4基4門&br;片舷式爆雷投射機×8基（鹿島・香椎）&br;爆雷投射軌道×2条（鹿島・香椎）|
|搭載艇|12m[[内火艇]]×2隻、12m内火ランチ×3隻、9mカッター×2隻、6m通船×1隻|
|[[艦載機]]|十二試[[水偵>偵察機]]（三座）×1機|
|主機|艦本式タービン（高低圧2段減速）×2基（出力4,400hp）&br;艦本式22号10型[[ディーゼル機関>ディーゼルエンジン]]×2基（出力3,600hp）&br;（フルカン・ギア連結）|
|推進器|2軸（280rpm、直径：2.800m、ピッチ：2.580m）|
|機関出力|8,000hp（計画）|
|[[燃料]]|重油：600t（計画）|
|最大速力|18.0[[ノット]]（計画）|
|[[航続距離]]|7,000nm/12kt（計画）|
|乗員|計画：[[士官]]・[[水兵>兵卒]]315名+[[候補生>士官候補生]]375名&br;竣工時定員：505名|
|兵装|三年式50口径14cm連装速射砲×2基4門&br;八九式40口径12.7cm連装[[高角砲>高射砲]]×1基2門((鹿島・香椎は対潜掃討艦改装時に左右舷各1基増設。))&br;六年式53cm連装[[魚雷]]発射管×2基4門((鹿島・香椎は対潜掃討艦改装時に撤去。))（六年式魚雷×4本）&br;九六式25mm連装機銃×2基4挺((鹿島・香椎は対潜掃討艦改装時に25mm3連装機銃を4基増設。))&br;九六式110cm[[探照灯]]改×12基&br;5cm単装[[礼砲]]×4基4門&br;片舷式爆雷投射機×8基（鹿島・香椎）&br;[[爆雷]]投射軌道×2条（鹿島・香椎）|
|搭載艇|12m[[内火艇]]×2隻、12m内火ランチ×3隻、9m[[カッター>カッターボート]]×2隻、6m通船×1隻|
|[[艦載機]]|[[一二試水偵>零式水上偵察機]]（三座）×1機|
|航空設備|呉式2号5型[[射出機>カタパルト]]×1基|
|[[電探>レーダー]]&br;（鹿島・香椎）|22号電探×1基、13号電探×1基|
~
|>|>|>|>|>|>|CENTER:''同型艦''|
|CENTER:艦名|CENTER:主造船所|CENTER:起工|CENTER:進水|CENTER:竣工|CENTER:除籍|CENTER:備考|
|香取|[[三菱・横浜>三菱重工業]]|1938.8.24|1939.6.17|1940.4.20|1944.3.31|1944.2.17戦没&br;（[[トラック島空襲]]による）|
|鹿島|~|1938.10.6|1939.9.25|1940.5.31|1945.10.5|終戦時残存。&br;[[復員]]輸送後、1947.解体|
|香椎|~|1940.5.30|1941.2.14|1941.7.15|1945.3.20|1945.1.12 戦没((仏印キノン湾沖にて米軍機の攻撃による。))|
|橿原|~|1941.8.23|>|>|CENTER:-|マル5計画（昭和16年度）計画艦。&br;1941.11.6工事中止、解体。|
~
+[[海上自衛隊]]練習艦「かとり」(JS Katori TV-3501)~
1960年代に建造された、海自初の専用練習艦。~
~
それまで海自では、[[防衛大学校]]や一般の大学を卒業し、幹部候補生学校の課程を終えた幹部候補生の練習航海に、一般の[[護衛艦]]4〜5隻(([[艦隊]]の戦術運動やハイラインによる燃料・物資の補給、標的の曳航・被曳航など、複数の船舶が必要な訓練があるため。&br; このため現在でも、遠洋航海は専用練習艦と1〜2隻の護衛艦とで[[艦隊]]を組んで行われる。))を[[艦隊]]から一時的に外して充てていたが、これは貴重な艦隊戦力の一部である護衛艦を数ヶ月間拘束することになるため、乗員の練度維持に大きな影響があった。~
また、戦闘を想定する護衛艦の艦内スペースには多数の実習員（幹部候補生）を収容する余裕がなく、この点でも問題となっていた。~
それまで海自では、[[防衛大学校]]や一般の大学を卒業し、幹部候補生学校の課程を終えた[[幹部候補生>士官候補生]]の練習航海に、一般の[[護衛艦]]4〜5隻(([[艦隊]]の戦術運動やハイラインによる燃料・物資の補給、標的の曳航・被曳航など、複数の船舶が必要な訓練があるため。&br; このため、現在でも遠洋航海は専用練習艦と1〜2隻の護衛艦とで[[艦隊]]を組んで行われる。))を[[艦隊]]から一時的に外して充てていたが、これは貴重な艦隊戦力の一部である護衛艦を数ヶ月間拘束することになるため、乗員の練度維持に大きな影響があった。~
また、戦闘を想定する護衛艦の艦内スペースには多数の実習員（[[幹部候補生>士官候補生]]）を収容する余裕がなく、この点でも問題となっていた。~
これらの問題を解決するため建造されたのが本艦である。~
~
2.の旧海軍練習艦と同様、船体は商船型構造となっており、このスペースを生かして実習員の居住施設や訓練用の兵装が搭載されていた。~
30年近くにわたって海自幹部候補生の教育に携わってきたが、後継の「[[かしま]]」(JS Kashima（TV-3508((TV-3502〜3507には、[[艦隊]]を退いた旧式[[護衛艦]]が種別変更の上充てられていた。&br; 現在でもこれは続いており、「[[はつゆき]]」級護衛艦から種別変更された「しまゆき」「せとゆき」「やまゆき」がそれぞれ「TV-3513（旧DD-133）」「TV-3518（旧DD-131）」「TV-3519（旧DD-129）」となっている。))））に任務を譲って1998年に除籍・解体された。~
30年近くにわたって海自[[幹部候補生>士官候補生]]の教育に携わってきたが、後継の「[[かしま]]」(JS Kashima（TV-3508((TV-3502〜3507には、[[艦隊]]を退いた旧式[[護衛艦]]が種別変更の上充てられていた。&br; 現在でもこれは続いており、[[ミサイル護衛艦>ミサイル艦]]から種別変更された「[[はたかぜ]]」「[[しまかぜ>島風]]」がそれぞれ「TV-3520（旧DDG-171）」「TV-3521（旧DDG-172）」となっている。))））に任務を譲って1998年に除籍・解体された。~
~
|>|CENTER:''性能諸元''|
|艦番号|TV-3501|
|艦名|かとり（JS Katori）|
|主造船所|[[IHI・東京>IHI]]|
|起工|1967.12.8|
|進水|1968.11.19|
|竣工|1969.9.10|
|除籍|1998.3.2|
|所属|練習艦隊旗艦（定係港：横須賀）→練習艦隊第1練習隊（定係港:呉）|
|[[排水量]]&br;（[[基準>基準排水量]]/[[満載>満載排水量]]） |3,350t/4,100t|
|全長|128m|
|全幅|15m|
|吃水|4.3m|
|[[喫水]]|4.3m|
|深さ|10m|
|機関|[[蒸気タービン]]方式|
|ボイラー|石川島播磨2胴衝動型×2基&br;石川島播磨FW・D2胴水管型×2基|
|出力|20,000ps|
|推進器|スクリュープロペラ×2軸|
|速力|25[[ノット]]|
|乗員|460名（定数295名、実習員165名）|
|兵装|68式50口径3インチ（76mm）連装速射砲((Mk.33 3インチ砲の[[ライセンス生産]]品（日本製鋼所製）。))×2基&br;68式3連装短魚雷発射管(([[Mk.32]]短魚雷発射管のライセンス生産品。))×2基&br;71式ボフォース・対潜ロケットランチャー×1基|
|搭載機|なし（[[ヘリコプター発着甲板>飛行甲板]]((実習員の体育訓練や寄港時のレセプション会場としても用いられていた。))のみ）|
|[[レーダー]]|AN/SPS-12 対空捜索レーダー((護衛艦「わかば」が装備していたものを流用している。))&br;OPS-17 水上捜索レーダー&br;AN/SPG-34 射撃指揮レーダー|
|[[レーダー]]|AN/SPS-12 対空捜索レーダー(([[護衛艦「わかば」>松]]が装備していたものを流用している。))&br;OPS-17 水上捜索レーダー&br;AN/SPG-34 射撃指揮レーダー|
|[[FCS>火器管制装置]]|Mk.63 砲射撃指揮装置|
|[[ソナー]]|AN/SQS-4|
|[[電子戦]]&br;・対抗手段|NOLR-1B [[電波探知装置>ESM]]|
~
+[[海上保安庁]]巡視船「かとり（JCG Katori PM-51）」~
+[[海上保安庁]][[巡視船>カッター（船）]]「かとり（JCG Katori PM-51）」~
昭和時代末期に整備された「てしお」型巡視船の後継として建造された巡視船。~
公称船型は500トン型と呼ばれる。~
~
本型は、中型巡視船の本来業務である沿岸海域での警備救難に加えて、大型巡視船（PL）の業務もある程度肩代わりできるように設計されている。~
そのため全長は72ｍとなり、しれとこ型（1,000トン型）巡視船に迫る大型の巡視船となり、耐航性能および曳航能力は大型巡視船と同等にまで強化された。~
また、中型巡視船ながら、船橋後方に隣接してOIC（Operation Information Center）室が設けられている。~
~
兵装として船首甲板に[[JM61-RFS 20mm多銃身機銃>M61A1]]の単装マウントを備えるほか、遠隔操作型の放水砲も搭載されている。~
兵装として船首甲板に[[JM61-RFS 20mm多銃身機銃>M61]]の単装マウントを備えるほか、遠隔操作型の放水砲も搭載されている。~
~
[[搭載艇>内火艇]]としては、高速警備救難艇と複合艇が1隻ずつ搭載されている。~
災害対応用として、複合艇揚降用のクレーンの直後の船尾甲板上には、12フィート・コンテナを搭載できるようになっている。~
また1・3番船以外の4隻は、ここに取り外し式の架台を設けて2隻目の複合艇を搭載する警備実施等強化巡視船（通称「特警船」）仕様となっている。~
~
平成26年度予算で4隻、同年度補正予算で2隻、平成27年度補正予算で2隻の計8隻の取得予算が計上されている。~
平成26年度予算で4隻、同年度補正予算で2隻、平成27年度補正予算で2隻、令和元年度補正予算で1隻の計9隻の取得予算が計上されている。~
~
|>|CENTER:''スペックデータ''|
|総トン数|650t|
|全長|72m|
|全幅|10m|
|[[機関>エンジン]]|[[ディーゼルエンジン]]&br;ウォータージェット推進×2軸|
|最大幅|10m|
|主[[機関>エンジン]]|新潟 16V20FX[[ディーゼルエンジン]]×2基|
|推進器|ウォータージェット推進器×2基|
|速力|25[[ノット]]以上|
|搭載艇|高速警備救難艇、複合艇|
|兵装|[[JM61-RFS 20mm多銃身機銃>M61A1]]×1門|
|搭載艇|高速警備救難艇×1隻、複合艇×1〜2隻|
|兵装|[[JM61-RFS 20mm多銃身機銃>M61]]×1門|
|[[FCS>火器管制装置]]|RFS（20mm機銃用）|
|光学機器|[[赤外線捜索監視装置>FLIR]]（RFS兼用）&br;遠隔監視採証装置（[[LIDAR]]）|
~
|>|>|>|>|>|CENTER:''同型艦''|
|計画年度|艦番号|艦名|建造所|竣工・転属|所属|
|平成26年度|PM-51|かとり|[[ジャパンマリンユナイテッド>IHI]]&br;鶴見工場|2016.11.28|銚子&br;（第3管区）|
|平成26年度|PM-51|かとり|[[ジャパンマリンユナイテッド>IHI]]&br;鶴見工場|2016.11.28|銚子&br;（第三管区）|
|~|PM-52|いしかり|~|2017.2.27|釧路&br;（第一管区）|
|~|PM-53|とかち|~|2017.9.29|広尾&br;（第一管区）|
|~|PM-54|いよ|~|2017.11.22|松山&br;（第六管区）|
|同年度補正|PM-55|ひたち|~|2018.2.28|鹿島&br;（第三管区）|
|~|PM-56|きたかみ|~|~|釜石&br;（第二管区）|
|平成27年度補正|PM-57|そらち|~|2018.9.27|紋別&br;（第一管区）|
|~|PM-58|なつい|~|2019.1.31|福島&br;（第二管区）|
|令和元年度補正|PM-59|ちとせ|~|2022.9.20|留萌&br;（第一管区）|
~
