【航空郵便】(こうくうゆうびん)

Air Mail
郵便のサービスで、差出人から受取人へ手紙・荷物を運ぶ交通手段として航空機を利用して、配達までの時間短縮を図るもの。
専門用語では「航空扱い」と呼ばれる。

日本では後述の通り、外国との間で発受信するものを指すことが多い。

日本の内国郵便における航空扱い

日本国内の個人・団体・企業同士でやりとりされる郵便(内国郵便)では、特に「航空郵便」という名のついたサービスは存在していないが、「速達」として扱われる郵便物や荷物については、可能な限り航空機(基本的に定期運航される旅客機の貨物室にコンテナで搭載される)により運ばれることになっている。*1
また、一定時間までに発送すれば翌日の午前中に目的地へ配達することを保障する「翌朝10時郵便」サービス(商品名「モーニング10」)においてもこれに準じて扱われている。

これ以外の郵便物や荷物については、基本的に陸路(トラックや鉄道貨物として)で運ばれるが、輸送ルートの都合によっては航空機で輸送されることもある。
ただし、どの手段で輸送されるのかは、その時々の輸送状況で決まるため知ることはできない。

また、輸送時間に余裕を持たせることをあらかじめ了承した料金割引サービスを利用した場合や、内容品に航空機の運航に影響を及ぼす物が入っている(あるいはその疑いがある)郵便物や荷物は航空輸送されないことになっている。

国際郵便

外国との間で発受信される国際郵便では、航空郵便自体が「サービスメニュー」として扱われており、船便(Surface)とははっきり区別され、料金も別体系とされている。
手紙などの軽量な郵便物や、品物をできるだけ早く到着させたい場合によく利用される。*2
日本では、英語標記の"Air Mail(エアメール)"という言葉が、海外とやり取りする手紙をあらわす表現として広く用いられている。

利用するには、発送の際に差出人が表に「AIR MAIL」などと標記するか、手紙であれば赤と青で縁取りされた封筒(いわゆるエアメール封筒)を使うと航空扱いで輸送される。
なお、海外から日本へ送る場合はフランス語標記で「Par Avion」と書き添えるとより確実である。*3

1990年代にサービスの細分化が行われ、以下のような商品が登場している。

国際スピード郵便(EMS)
一般の航空郵便に優先して輸送されるサービス。
ビジネス書類(輸出品の船積書類や契約書など)や書誌の最新刊など、急を要する荷物の輸送に利用される。
SAL便
Surface Air Liftの略で、発信国と受信国の国内では船便と同様に扱い、航空機の空きスペースを利用して発信国〜受信国間を航空輸送するサービス。
「エコノミー航空便」とも呼ばれる。
一般の航空郵便より配達に時間はかかるが、その分料金が安く抑えられている。
ある程度時間のかかってもよい荷物や、在外邦人向けの定期購読雑誌の郵送などでよく用いられている。

*1 これは、郵便事業株式会社の「内国郵便約款」にて「最も速やかな運送便により遅滞なく運送すること」と定められているためである。
*2 相手国への直行便は旅客機の積載スペースに限界があるため、第三国を経由して輸送される場合が多い。
  しかし、それでも船便よりは圧倒的に早い。

*3 万国郵便連合(UPU)における公用語がフランス語であるため。

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