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*&ruby(こうくうゆうびん){【航空郵便】}; [#xcf99ea3]
Air Mail.~
&ruby(エアメール){Air Mail};.~
~
手紙などの郵便物を[[航空機]]で輸送する事。専門用語では「航空扱い」「航空機積載」と呼ばれる。~
日本語で"&ruby(エアメール){Air Mail};"という場合、単に海外とやり取りする手紙を指す事が多い。~
手紙などの郵便物を[[航空機]]で輸送する事。~
[[航空機]]は短距離輸送に著しく不向きであるため、基本的には国外など長距離輸送が必要な場合に手配される。~
~
陸上から行ける交通手段がない僻地へ配達する場合を別とすれば、基本的に定期航空路線の[[旅客機]]・[[貨物機]]に便乗して輸送される((かつての日本では、夜間に郵便物輸送専用の[[フライト]]が運行されていた時期もあったが、1970年代に[[空港]]の騒音問題が顕在化して以後廃れている。))。~
日本語の公文書で厳密に区別する場合、国際郵便は「[[航空]]扱い」、国内郵便では「[[航空機]]積載」と称する。~
日本語で&ruby(Air Mail){エアメール};という場合、単に海外とやり取りする手紙を指す事が多い。~
~
インフラの隔絶した僻地への配達を別とすれば、基本的に定期航空路線の[[旅客機]]・[[貨物機]]に便乗して輸送される。~
深夜の[[離陸]]・[[着陸]]は危険である(規制されている空域もある)ため、翌朝まで[[空港]]に留め置かれて遅延が生じる場合もある。~
[[ペイロード]]の都合上、直行便を利用できず第三国経由で輸送される場合も多い。~
しかし、それでも長距離の貨物輸送としては産業目的で現実的に運用できる最速の輸送手段である。

>一般に、日本から海を越えて手紙を配達するには3〜6日ほどかかる。~
これに対して、船便では配達までに1ヶ月かかる事もあり得る。
>便乗できる定期便がある限り、発着が地球上のどの[[空港]]であろうと、7日以内には宛先最寄りの[[空港]]に到着するものと期待できる。~
これに対して、船便では宛先最寄りの港湾までに1ヶ月以上かかる事もあり得る。

[[航空機]]は短距離輸送に著しく不向きであるため、基本的には国外など長距離輸送が必要な場合に手配される。
**日本の内国郵便における航空扱い [#zb6ecf31]
日本国内の交通事情において、航空輸送は必ずしも最速の郵送手段ではない。~
このため、現代の国内向け郵便事業において、明示的に「空路を利用する」とするサービス形態は存在しない。

**日本の内国郵便における航空扱い [#zb6ecf31]
日本国内を対象とする郵便事業者(日本郵便株式会社)のサービスにおいて、特に「航空郵便」という名のついたメニューは現存しない((かつては別個に存在したが、旧郵政省時代の1953年、速達郵便とサービスが統合されている。))。~
しかし、発信人が相手への速やかな到着を求めて「速達」で郵便を送る場合、郵便事業者は「最も速やかな運送便により遅滞なく運送すること」を求めて航空輸送を行うことが多い((日本郵便株式会社が定めた「内国郵便約款」の規定及び国営時代以来の「郵便物運送委託法」との関係から、出来る限り航空機に積載されるという。))。~
(一定時間までに発送すれば翌日の午前中までに到着する事を保証する「翌朝10時郵便」サービス((商品名「モーニング10」。))もこれに準じて扱われる)~
>旧逓信省→郵政省ではかつて「(国内向け)航空郵便」を提供していたが、前述の理由から1953年に「速達郵便」と統合された。

とはいえ、速達郵便で求められる「最も速やかで遅滞ない運送」は、多くの場合に空輸を必要とする。~
また、通常の郵便物も、事業者の手配した機体に空きがあれば空輸される事がある。~
ただし、[[搭載量>ペイロード]]に限界がある場合は、送達にスピードを要する「速達郵便」「時間配達指定郵便」が優先される。~
載せきれなかった郵便物は、陸上輸送の方が早ければ載せ替えられ、そうでなければ次の便まで[[空港]]に留め置かれる。~
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一方、通常の郵便物・荷物は基本的にトラックや[[貨物列車>鉄道]]で輸送されるが、状況によっては空輸する事もある((ただし、搭載の優先順位は速達郵便の次となる。))。~
「発信人が『相手への配達が一般の郵便よりも遅れる』ことを了承する」代わりに料金割引を行う場合((通信販売のカタログやクレジットカードの代金明細、定期刊行物など、企業が一箇所で大量に作成して全国の顧客へ一斉に発送するような郵便物が該当する。))もあり、その場合には、輸送単価の高い航空輸送は行われない。~
貨物の質によっては航空会社から取り扱いを拒否される場合((内容品に「航空機の運航に障害を及ぼす物が入っている、またはその疑いがある場合」が該当する。))があり、この場合も航空輸送はできない。
企業による大量の郵送(広告・通達・定期刊行物など)では、遅配の許容を条件として料金割引が行われる場合もある。~
この場合は所要時間よりも運送コストが優先され、単価の高い空輸は避けられる。~
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いずれにせよ、[[航空機]]を利用するか否かは事業者側が状況に応じて選ぶもので、顧客は特にこれに関知しない。
また、航空会社が取り扱いを拒否するため、または単純に違法・危険であるため空輸できない貨物も存在する。~
封印されていて具体的な品目が定かでない貨物も、検査できない場合は積載を拒否される。~
~
いずれにせよ、国内郵便が空輸されるか否かは事業者側が状況に応じて選ぶもので、顧客は特にこれに関知しない。

**国際郵便 [#p7eafd61]
国際郵便においては、航空郵便自体が「サービスメニュー」として扱われている。~
国際郵便においては、航空郵便自体が独立したサービスメニューとして扱われている。~
船便(Surface)とははっきりと区別され、料金も完全に別体系である。~
発送の際、差出人が表に「AIR MAIL」などと標記するか、エアメール封筒((赤と青の目立つ縁取りのあるもの。))を使うと航空扱いとなる。~
発送の際、差出人が表に「AIR MAIL」(英語)「Par Avion」(フランス語)などと標記すると航空扱いとなる。~

>万国郵便連合(UPU)の公用語はフランス語であるため、フランス語で「Par Avion」と書き添えればより確実。
>フランス国旗風に三色で縁取られた「エアメール封筒」を使う慣習があるが、この封筒に制度上の根拠はない。

関連する商品として、次のようなものがある。~
:''国際スピード郵便(EMS)''|一般の航空郵便に優先して輸送され、2日〜4日程度であて先の国に配達されるサービス。~
:''国際スピード郵便(EMS)''|一般の航空郵便に優先して輸送され、2日〜4日程度で宛先の国に配達されるサービス。~
誤配送による遅延を防ぐため、バーコードラベルで発送から到着までを管理される。~
主な輸送対象はビジネス上の重要書類や書誌の最新刊など。現金・有価証券はサービス対象外。
主な輸送対象はビジネス上の重要書類や書誌の最新刊など。現金・有価証券はサービス対象外(現金・有価証券の送付は、これとは別に「書留」及び「保険付」というサービスを利用して行える)。
:''SAL便''|Surface Air Liftの略。「エコノミー航空便」とも。~
発信国及び相手国内では船便と同様に扱われ、国境を越える時にのみ、航空機の空きスペースを利用して空輸する。~
一般の航空郵便に比べて2倍程度の時間がかかるが、その分、料金が安く抑えられている。~
発信国及び相手国内では船便と同様に扱われ、国境を越える時にのみ、[[航空機]]の空きスペースを利用して空輸する(ただし、一般の航空便よりも頻度は少ない)。~
(郵便局内での処理が後回しになるため)一般の航空郵便に比べて2倍程度の時間がかかるが、その分、料金が安く抑えられている。~
ある程度時間のかかってもよい荷物や、在外邦人の定期購読雑誌の郵送などで利用されることが多い。
:''航空書簡・国際はがき''|内国郵便の郵便書簡・はがきに相当するもの。~
購入して宛名と通信文を書けば、全世界均一料金((日本から送る場合、航空書簡は90円・国際はがきは70円。))で、航空扱いとして万国郵便連合加盟国宛てに送付できる。~
購入して宛名と通信文を書けば、''全世界均一料金''で、航空扱いとして万国郵便連合加盟国宛てに送付できる。~
なお、航空書簡には25gまでの紙片などを同封することができるが、これを超過した場合は追加料金が必要となる。
:''航空切手''|航空扱いで郵便物を差し出すときに使用する切手。~
[[飛行機]]や飛行船、鳥などをモチーフにした図案が多く、料金も(一般の郵便に使用する切手に比べれば)高額であることが多い。~
日本では旧郵政省時代の1953年に航空郵便が速達郵便制度と統合されて以後、発行されていない。
:''国際返信切手券''|国際郵便で、相手に返信を依頼するときに返信用切手の代わりに((ある国の貨幣が基本的に他国で使用出来ないのと同じ理由から、切手も他国から発送する郵便には使用できない。))購入する金券。~
郵便物と一緒に相手に送り、受取人はこれを現地の郵便切手や航空書簡・国際はがきに引き換える((1枚の国際返信切手券で引き換えられる切手類の金額は、現地国から航空扱いで書状を送る時の最低料金相当額(日本で交換した場合は130円分)となる。))。
[[飛行機]]や[[飛行船]]、鳥などをモチーフにした図案が多い。~
料金体系の関係上、一般的な切手よりも高額であることが多い。~
日本では旧郵政省時代の1953年に(国内向け)航空郵便が速達郵便制度と統合されて以後、発行されていない。
:''国際返信切手券''|国際郵便で返信を依頼するために郵便物に添付する金券。~
受取人はこの金券を現地の切手・航空書簡・国際はがきなどに引き換えて返信を行う(日本で交換した場合は1枚につき140円分の切手もしくは国際はがき・航空書簡を受け取れる)。~
このような煩雑な手続きが必要なのは、各国の切手に通貨としての国際的な信用が存在しないため。~


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