【航空優勢】(こうくうゆうせい)

air superiority
味方の航空機が大規模な攻撃を受ける事が無く、かつ敵性航空機の活動が大きく制限された状態。
陸軍の立場から見た場合、近接航空支援を受ける事が可能な状態をさす。
かつては海軍の制海権に対応して「制空権」と呼ばれていた時代もある。

基本的には攻勢対航空作戦による飛行場への空爆によって確保される*1
成立後は定期的な戦闘空中哨戒任務、およびSAMAAAなどの配備によって維持される。

航空機は極めて高速で、かつ(燃料や乗員の関係から)継続稼働時間に限界があるため、航空優勢を失った状態でも一時的な突破は可能である。
そのため、空域に対する絶対的な支配は非常に難しく、優勢を確保するのが精一杯である。
実質的に空を制圧しているわけではないため「制空権」ではなく「航空優勢」と呼ぶ事が望ましい*2

空爆が重要な攻撃手段となった現代戦において、勝つためには航空優勢の確保がほぼ必須である。
ただし、航空優勢を確保しながら陸戦での戦術的失敗によって敗北した例もわずかながら存在する*3

関連:航空主兵主義


*1 かつては両陣営が戦闘機を繰り出し、お互いを撃墜させあって稼動機体の残った方が勝ちとなる「ファイタースウィープ」という強引な手法で獲得することもあった。
*2 ただし、一般的には「制空権」と「航空優勢」はほぼ同義語であるとされる。
*3 ベトナム戦争でのアメリカ軍などがその一例。

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