【航空団】(こうくうだん)

Wing(アメリカ空軍)/Group(イギリス空軍).

空軍陸軍航空隊・海軍航空隊も含む)の部隊編制単位の一つ。「飛行団」とも。
多くの場合、基本的に連隊級の戦術単位または旅団級の戦略単位として扱われる。

アメリカ空軍イギリス空軍では、WingとGroupの関係が正反対になっている。
アメリカ空軍ではWing(航空団)がGroup(航空群)の上級部隊であり、大佐ないし准将に指揮されるのに対し、イギリス空軍ではGroup(飛行集団)*1がWing(飛行団)よりも上級部隊であり、団司令に中佐ないし大佐が充てられている。
但し、バトル・オブ・ブリテン以来、飛行集団−飛行隊と指揮系統が簡素化されている。

航空自衛隊における「航空団」

航空自衛隊ではアメリカ空軍式の編制を採用し、航空団を「戦略単位」としている。
各航空団は司令部及び飛行群、整備補給群、基地業務群の3群で編成されるが、中核となる飛行群は2個飛行隊編成と小規模で、また、他の2群も兵力でいえば陸自の大隊規模なので、実質的な規模はイギリス空軍に近い。*2

防空戦は時間との勝負であることから、航空団は任務を人員、機材、施設の維持管理に留め、戦闘部隊の指揮系統を「航空方面隊―飛行隊」と簡素化した方が良いのではないかとの意見(いわゆる「空地分離」*3)もある*4


*1 和訳はこちらの方が的確と思われる。
*2 故に飛行群(海上自衛隊の(甲)航空隊も同様に)は不要という声がある。
*3 これは旧陸軍航空隊において、飛行連隊を「戦隊」に改めた経緯とも重なる。
*4 中間司令部が置かれると、その分命令・情報の伝達に時間を要するが、陸戦や海戦に比べて戦闘が高速で展開する航空戦では、そのわずかな時間差が致命的な結果につながることが多々ある。

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