*&ruby(こうくうしだん){【航空師団】}; [#w06a79a8]
Air Division.~
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[[空軍]](もしくは[[陸軍]]・[[海軍]]((海軍の航空部隊については(海軍においては「[[艦隊]]」が戦略的な部隊単位の基本となることから)「航空艦隊」と呼ばれる場合もある。))の航空部隊)における戦闘部隊の単位。「飛行師団」とも。~
[[陸軍]]の(一般的な)[[師団]]と同様、6,000〜15,000人程度の集合とされ、[[戦略]]上の基本単位となる。~
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国・時代によってその位置づけには細かな差異がある。~
以下にその一例を述べる。~
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:[[アメリカ空軍]]|空軍創設の1948年から運用され、1992年の再編で廃止された。~
序数航空軍と[[航空団]]を中継する単位として存在し、師団長は概ね[[准将]]であったが、一部に[[少将]]や大佐が充てられた。~
制度廃止後は隷下の[[航空団]]が師団規模まで拡大・統合された。~
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なお、現在のアメリカ空軍の[[航空団]]は、おおむね陸軍の1個師団に相当する。~
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:[[アメリカ陸軍]]([[第二次世界大戦]]後)|1960年代、「第11空中強襲師団」という部隊が編成されていた。~
この部隊は、当時、アメリカが参戦していた[[ベトナム戦争]]において大々的に行われていた[[ヘリボーン]]作戦を戦略的に行うための実験・研究にあたる組織とされていた。~
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その後、同師団には第2歩兵師団((当時から在韓米軍(第8軍)隷下にあり、主力は大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国との[[軍事境界線]]付近に駐在していた。&br;  2017年現在は[[戦闘航空旅団>航空団]]・[[火力旅団>砲兵]]・継戦旅団及び韓国陸軍の1個旅団が隷下にあり、従来隷下にあった[[旅団戦闘団>旅団]]は同師団の部隊名を残したまま第7歩兵師団の隷下に移されている。))から抽出された兵力が組み合わされ、実戦的な[[空中機動>ヘリボーン]]部隊「第1騎兵師団」としてベトナムへ派遣され、同様に空中機動部隊となった[[第101空挺師団>空挺部隊]]共々、数々のヘリボーン作戦に従事した。~
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その後のさらなる改編を経て、現在の第1騎兵師団は[[機甲師団>機甲部隊]]となっている((「[[騎兵]]」を名乗っているが、[[馬>軍馬]]は特殊な儀礼・祭典で用いられるのみであり、実戦で用いられることはない。))が、第101空挺師団は「航空強襲部隊」とされている((両師団とも、隷下に「[[戦闘航空旅団>航空団]]」が置かれている。))。~
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:ソ連→[[ロシア空軍]]|かつて、3個の[[飛行連隊>航空団]]を束ねた上級単位として航空師団を編成していた。~
師団長には大佐ないし[[少将]]が充てられていた。~
現在は再編によって連隊・師団ともに廃止され、代わりに「航空基地」を編制単位としている。~
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未確定だが、今後、再度の[[再編成]]で航空師団の制度が再度導入される動きもあるという。~
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:[[イギリス空軍>RAF]]|「飛行集団(Group)」が一個航空師団に相当。司令官は[[代将]]ないし[[少将]]。~
1940年代の[[バトル・オブ・ブリテン]]以降、飛行隊の直上に司令官を置く簡素な指揮系統が採用されている。~
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:[[旧日本陸軍航空隊>日本軍]]|複数の飛行団を束ねる上級司令部として編成されており、「飛行集団」をその前身とする。~
師団長は[[中将]]職だが、実際には[[少将]]も「師団長心得」としてその職にあった。~
[[太平洋戦争]]末期には本土防空戦のために指揮系統が簡素化され、飛行師団司令部が直接[[戦隊]]を指揮するようになった。~
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なお、実戦部隊を擁する師団のみが「飛行師団」、教導部隊などは「航空師団」として区別されていた。~
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:[[航空自衛隊]]|旧陸軍航空隊の「飛行師団」に相当する組織として、[[航空総隊]]隷下の「[[航空方面隊]]」・航空混成団がある。~
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