【航空券】(こうくうけん)

旅客機を利用しようとする顧客が、運賃と引き換えに航空会社から購入するチケット。
「航空会社と運送契約を締結した」事実を示す有価証券である。
実際に搭乗する前に空港などでチェックインを済ませ、搭乗券(空港施設および機内への立入許可証)に引き換えなければならない。

券面には以下の情報が記載される。搭乗券ではこれらの他に「座席番号」「利用する搭乗ゲート」などが記載される。

  • 本人特定に必要な最小限の個人情報
  • 搭乗日と便名
  • 出発・経由・到着する空港
    往復便や周回便である場合はその旨の記載もされる。
  • 座席グレード(エコノミービジネスファースト
  • 適用される運賃
  • 有効期間
    予約がなければ、国内線では発券から原則90日間・国際線は同じく原則1年間
  • (国際線の場合)国際旅行運送約款の抜粋

航空券は一般的な公共交通機関と違って記名式になっており、本人以外の使用(身元を偽っての渡航)は民事訴訟・刑事告訴の対象となる。
他人名義の航空券で渡航したり、自分の名義で購入した航空券で他人を渡航させるのは、犯罪者やスパイが追跡を逃れるための偽装工作として広く知られている。

管理が杜撰だった時代には、チェックインだけ済ませて搭乗せずに空港を立ち去るという場合もあった(搭乗記録の電子化によって無意味な行為になった)。

また、可能な限り出発地と日時が指定され、別便への変更には制限がある。
搭乗手続きを終えるまで便名を確定させない場合(ビジネスきっぷや回数券など)や、予約変更を受け付ける場合もある。
しかしその場合でも、特定区間の往復、マルチエアポートへの対応、出発日時の変更に応じる程度が限度。
運航の義務も所定の航空会社にのみ課せられ、別の航空会社の便に乗り換える事も原則として不可能(企業間協定によって乗り換え可能な場合もある)。

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航空券の媒体

TAT(Transitional Automated Ticket)券
用紙の裏側にカーボン紙が貼り付けてあり、複数枚の綴りで発行されるもの。
ATB(Automated Ticket & Boarding Pass)券
航空券が搭乗券を兼ねる(両者を一枚の用紙にまとめて発券する)もの。
搭乗ゲートで用紙の航空券部分が回収される。
電子航空券
航空会社のwebサイトで予約を行い、チェックイン時に身元確認の上で搭乗券を受け取るもの。

航空券の発券及び運賃の決済

航空券は航空会社の他、航空会社と代理店契約を締結した旅行代理店でも発券される(どこで発券されたかは券面に記載される)。
国際線の場合、航空会社と旅行代理店の数が膨大になるため、運賃の決済は各国ごとにIATA(国際航空運送協会)による「銀行集中決済方式(BSP,Billing Settlement Plan)」を取っている。


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