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*&ruby(こうくうきかんし){【航空機関士】}; [#k115cba9]
[[旅客機]]や[[貨物機]]など、複数の[[エンジン]]を搭載する大型機に搭乗し、主に[[エンジン]]の運転監視や関連機器の調整などにあたる乗員。~
英語標記では"&ruby(フライトエンジニア){Fright Engineer};"と呼ばれている。~
&ruby(フライトエンジニア){Flight Engineer};.~
~
[[航空機]]の大型化に伴い、それに搭載される機器も増加することになったが、その分、それらの機器の運転状況を表示する[[計器]]の数も増加してしまい、[[パイロット]]が飛行中に全ての計器を監視することは難しくなった。~
また、かつては[[エンジン]]の信頼性も低く、同じ機体に取り付けられたエンジンでも個体ごとに回転数が異なることも珍しくなかった。~
そこで、パイロットの負担を減らすべく、主に動力系関連の計器の監視や機器の運転調整を受け持つ乗員として設定されたのがこの職種である。~
[[航空機]]の搭載機器の運転・監視・調整を行う[[乗員>エビエーター]]。~
~
日本の[[航空法]]においては、「航空機に乗り組み、操縦装置を除く発動機及び機体の取扱を行う資格」と定義されている。~
このため、本来の業務であるエンジン及びその関連機器の運転監視のほか、[[フラップ]]の昇降や[[ランディングギア]]の出し入れ、[[スロットルレバー]]の操作を[[機長]]・[[副操縦士>副機長]]に代わって行うことができ、また、[[機長]]・[[副操縦士>副機長]]ともに余裕のない場合は通信も行うことができる。~
~
大型機の運航には欠かせない乗員として活躍してきたが、20世紀末期以後、航空機の[[アビオニクス]]の発達と機器の信頼性向上(殊に[[グラスコックピット]]の実用化)に伴い、パイロットが全ての計器を常時監視する必要がなくなり(必要なときに必要な情報をディスプレイに呼び出して表示する)、また、エンジンの運転制御もコンピュータに移行したため、急速に活躍の場を失い、2009年7月の[[日本航空]]における[[クラシックジャンボ>B747]](([[B747]]のうち、-300型までのタイプの通称。))の退役に伴って、日本の民間航空業界から姿を消すことになった。~
取り扱うのは主に機関([[エンジン]])・与圧系・空調・[[燃料]]系・[[油圧ポンプ]]・[[電気系統>アビオニクス]]など。~
機体重量や[[離陸速度]]など、機体の詳細を知っていなければ算出できない細かな技術的計算も担当する。~
必要であれば[[フラップ]]・[[ランディングギア]]・[[スロットルレバー]]を直接操作する事もできる。~
通信機器は専門外だが、別途に資格((日本では総務省の所管する「航空無線通信士」または「航空特殊無線技士」の資格。))を取得して[[航空通信士]]を兼任している場合もある。
>日本では、「構造上、操縦者だけでは発動機及び機体の完全な取扱いができない航空機」には航空機関士の搭乗が義務付けられている((かつては「4基以上の[[発動機>エンジン]]を有する航空機」「3基の[[発動機>エンジン]]を有し、且つ、35,000kg以上の最大離陸重量を有する航空機」にも搭乗義務があった。&br;  しかし、現在ではコンピュータ制御技術の発展に伴ってこの規定は削除され、本文中の規定にまとめられている。))。

**航空機関士(自衛隊) [#l496852e]
上記の通り、日本の民間航空業界では(国内線・国際線問わず)全ての機体が[[2マンクルー]]方式に移行したため、「航空機関士」という職種は姿を消すことになったが、[[自衛隊]]では「部内限りの資格([[航空士]])」として、現在でもこの職種の乗員が存在している。~
(航空法に定めた資格との共通性はないため、民間航空業界では通用しない)~
[[航空機]]は構造が複雑で、管理すべき情報も多く、特に大型機では[[パイロット>エビエーター]]一人では運転監視できないほど[[計器]]が増える。~
このため、動力系の監視・機器の運転調整を受け持つ乗員として航空機関士が設定された。~
しかし今世紀では[[グラスコックピット]]などの電子制御技術に活躍の場を奪われ、業界から姿を消しつつある。~
現在でも航空機関士の乗務を要する機体には、[[B747]]の一部((-300型以前の、いわゆる「クラシックジャンボ」と呼ばれるモデル。))、[[DC-10]]、[[Il-96]]などがある。~
>なお、[[軍用機]]では[[2人乗務が可能な機体>2マンクルー]]であっても緊急時に対応するために搭乗していることがある。

日本では2009年7月、[[日本航空]]の[[クラシックジャンボ>B747]]退役を機に民間航空業界から完全に姿を消した。~
~
自衛隊では以下の機体に搭乗している。~
-[[航空自衛隊]]~
[[C-130]]、[[C-1]]、[[CH-47J>CH-47]]、[[UH-60J>UH-60]]、[[YS-11]]
-[[海上自衛隊]]~
[[P-3C>P-3]]、[[US-1]]、[[MH-53E>CH-53]]、[[YS-11]]
-[[陸上自衛隊]]~
[[CH-47]]、[[UH-60JA>UH-60]]
関連:[[アビオニクス]] [[2マンクルー]] [[3マンクルー]] [[4マンクルー]] [[5マンクルー]] [[グラスコックピット]]

**自衛隊の航空機関士 [#k56a61ee]
[[自衛隊]]では現在でも以下の機体に「航空機関士」と称される職種の乗員が割り当てられている。~
これは隊内でのみ通用する[[航空士>航空士(自衛隊)]]の一種であり、[[曹>下士官]][[士>兵卒]]の[[航空機整備員>航空整備士]]から選抜される。~
自衛隊の航空機関士は[[航空法]]での資格とは無関係。混同を避けるため「機上整備員」と称する事もある。

-[[航空自衛隊]]
--[[C-130H>C-130]]、[[C-1>C-1(日本)]]、[[CH-47J>CH-47]]、[[UH-60J>UH-60]]、[[YS-11]]
-[[海上自衛隊]]
--[[P-3C>P-3]]、[[US-2]]、[[C-130R>C-130]]
-[[陸上自衛隊]]
--[[CH-47J>CH-47]]、[[UH-60JA>UH-60]]、[[V-22]]



関連:[[2マンクルー]] [[3マンクルー]] [[4マンクルー]] [[5マンクルー]] [[グラスコックピット]]


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