【航空機関士】(こうくうきかんし)

旅客機貨物機などの大型機に搭乗し、主にエンジン関連の計器の監視や機器の微調整などにあたる乗員。
英語標記では"Fright Engineer"と呼ばれている。

アビオニクスがまだ発展していなかった時代、航空機に搭載される機器の増加にしたがって計器の数も増加し、パイロットが飛行中に全ての計器を監視することは難しくなった。
また、エンジンの信頼性も低く、同じ機体に取り付けられたエンジンでも個体ごとに回転数が異なることも珍しくなかった。
そこで、エンジンに関する計器の監視や調整を受け持つ乗員として設定されたのがこの職種である。

日本の航空法においては、「航空機に乗り組み、操縦装置を除く発動機及び機体の取扱を行う資格」と定義されている。
このため、操縦桿(操縦輪)及びフットペダルは操作できないものの、フラップの昇降やランディングギアの出し入れ、スロットルレバーの操作は行うことができ、また、機長副操縦士ともに余裕のない場合は通信も行うことができる。

20世紀末期以後、航空機のアビオニクスの発達と機器の信頼性向上に伴い、パイロットが全ての計器を常時監視する必要がなくなり(必要なときに必要な情報を呼び出して表示する)、また、エンジンの出力制御もコンピュータ制御に移行したため、急速に活躍の場を失い、2009年7月の日本航空におけるクラシックジャンボの退役に伴って、日本の民間航空業界から姿を消すことになった。
しかし、自衛隊では部内限りの資格として現在もこの職種の乗員が活躍している。

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