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*&ruby(こうけい){【口径】}; [#n0587f1b]
銃砲類における銃身または砲身の大きさを表す単位。~
口径とは本来円筒状のものの内径を表す単位であるが、銃火器の分野においては3種類の意味があり、威力の目安として用いられる。
筒の内側の直径。その筒の中にどの程度の大きさの物を入れられるかを調べるために計測する。~
[[火器>ガン]]の場合は破壊力の指標として用いられ、状況に応じて以下の3種類の意味がある。

+砲における口径~
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[[カノン砲]]や[[榴弾砲]]などの火砲の砲身長を内径で割った値。~
例えば[[90式戦車]]に搭載されている44口径120mm[[滑腔砲]]の場合、砲身の内径が120mmであり砲身長が120mm x 44 = 5280mmと言う意味である。~
砲は射程が数km以上に及ぶものが多く、砲身の長さ(内径との比率)の違いによって発射した砲弾の威力や弾道特性(ひいては命中率)が変ってしまい、最初は少しの差であっても着弾するまでには大きな差となってしまう。従って、砲の長さが非常に重要な要素であることからこのような指標が用いられる。~
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+銃における口径~
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[[拳銃]]、[[小銃]]など、一般的には兵士が携帯するような小火器の銃身の内径の値。~
例えば「.50口径」とは、0.5インチ(約12.7mm)という意味である。ただし、一般的にミリで表す場合は「12.7mm」とそのまま表記し「12.7口径」とは言わない。銃は射程が短く銃身の長さよりも弾丸の大きさの方が威力に及ぼす影響が大きいため、このような指標が用いられる。
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+散弾銃における口径~
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小火器の中でも[[散弾銃]]はまた別の値が用いられている。散弾銃では、カードリッジ(実包)に収められた散弾が、何分の1ポンドであるか示しており、数字が大きいほど散弾1発あたり軽く(小さく)、逆に数字が小さいほど散弾1発あたり重く(大きく)なる。
これは、散弾銃が点ではなく面で撃ち出すものであり、散弾の大きさが威力に及ぼす影響が大きいことからこのような指標が用いられる。~
>統一規格が制定される以前からの慣例が残っているため、厳密な計測値と一致しない場合がある。~
例えば、「口径」は弾丸の直径を指す事も、[[ライフリング]]を彫る前の山径でも、溝の深さを加味した谷径でも有り得る。~
また、メーカーの商標登録問題から数値の表記基準が異なる、などという事例も多々ある。((例えば「9mmパラベラム」と「.357マグナム」と「.38スペシャル」は全て同じ9mmの銃口から発射される。))

なお、これらは単位が統一される以前から使われてきた慣例に基づくものが多いため、厳密な値と一致しない場合がある。~
特に[[ライフリング]]が施された銃砲の場合、弾径・山径・谷径のいずれかで呼ばれるという事情もあり、同じ口径に複数の表記がある場合が多々ある。((例えば.357マグナムと.38スペシャルなど))
**砲の口径 [#c4b0100e]
[[カノン砲]]・[[榴弾砲]]の場合、「口径」は砲身の長さを示す単位として用いられる。~
「1口径」はその砲の口径に等しく、例えば「44口径」であれば口径の44倍の長さがある事になる((例えば「44口径120mm[[滑腔砲]]」は口径が120mm、砲身長が120mm x 44 = 5280mmとなる。))
。~
一般に、長身の砲ほど威力の減衰が少なく、命中率も高いものとされる。(([[歩兵]]火器でも同様だが、元の威力と[[有効射程]]に対して誤差の範囲内に留まる。))~

**銃の口径 [#de4a440a]
[[拳銃]]・[[小銃]]などの[[歩兵]]用・民生用火器では、口径は単純に銃口の直径を意味する。~
単位としてはインチが用いるが、1インチ以上である事はまずないため、小数点を付記して記述する。~
例えば「.50口径」であれば0.5インチ(約12.7mm)である。~
ミリメートル単位の場合は単位を明記して「12.7mm」と表記する((この場合、「12.7口径」と記述してはならない。&br;  12.7mm[[対物ライフル]]が12.7インチ = 322.5mm口径の要塞砲と混同される、などといった事態が起こりえるためである。))。~

**散弾銃の口径 [#da88e8c6]
[[散弾銃]]においては、「口径」は銃口ではなく、個々の散弾の直径を意味する。~
>日本語の用例としては相当に疑問の余地があるが、慣例としてこうなのである。~
ただ、[[散弾銃]]の[[カタログスペック]]で「口径」の語を実際に目にする事は多くない。~
実際の表記では「ゲージ番号XX」「〜〜番ゲージ」などと記述される。

単位としては「ゲージ番号」が使われる。~
これは、[[リード弾]]として整形した場合に散弾1個の重量が何分の1ポンドになるかを示している。~
たとえば12番ゲージは12分の1ポンド、8番ゲージは8分の1ポンドである。~
ただし、現代では[[リード弾]]は散弾の主流から転落しているため、計測時には重量ではなく直径が問題になる。~
ゲージ番号と直径の対応関係は以下の通り。数字が大きいほど散弾が軽く、小さくなる。

|ゲージ番号|口径|
|10番|19.5mm|
|12番|18.1mm|
|16番|16.8mm|
|20番|15.6mm|
|24番|14.7mm|
|28番|14mm|
|30番|12.3mm|
|36番|11.3mm|
|410番((命名法則に反し、口径0.410インチ相当の意。410分の1ポンドではない。))|10.4mm|


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