【午砲】(ごほう)

Time Gun/Noon-day Gun.

時刻を知らせる目的で空包を撃って音を立てる事。
日本では毎日正午に撃つと定めた制度から「午砲」と呼ばれる*1が、国際的なルールは特にない。

元々は18世紀末頃の大英帝国で、港湾停泊中の船向けの告知として行ったのが始まり。
その後、英国植民地に寄港した他国の船舶を通じて世界中に広まった。

ただし、相当な騒音を伴い、また大砲を撃って装薬を大量に使う関係で相応の経費がかかる。
このため、20世紀には時計の精度が向上すると共に用済みとなり、廃れていった。

日本では1871年(明治4年)に午砲の制度が発足し、大都市を中心に午砲台(午砲所)が設置された。
管理者は主に陸軍の現地師団だが、後に海軍・測候所・自治体なども参画した。
大正中期には前述のように時計が発達したため、軍縮による予算不足をきっかけとして順次廃止されていった。


*1 一日の半分が終わった時にドンと轟音が鳴る事から「半ドン」とも言う。

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