*&ruby(げんしりょくくうぼ){【原子力空母】}; [#sa613d8f]
動力を[[原子炉]]による[[蒸気タービン]]で賄う[[航空母艦]]。~
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艦自体が[[燃料]]補給を必要としなくなる((大規模なメンテナンスに際して燃料棒の交換も行われる。))ため、[[艦載機]]を運用するための[[ペイロード]]が大幅に増強される。~
また、莫大な余剰出力を確保する事で、電力供給や[[蒸気カタパルト>カタパルト]]をほぼ無制限に運用できる。~
燃料の排煙が生じないため煙突などを設置する必要がなくなり、また排煙による乱流が生じないため離着陸が比較的安定する。~
こうした特性により、[[通常動力]]の[[空母>航空母艦]]の限界を超える絶大な[[投射弾量]]を確保する事が可能となる。

一方、[[原子炉]]を取り扱うために多くの専門技術者と多大な工数、[[放射性廃棄物]]など運用上の問題がいくつか生じる。~
この問題が艦の運用コストを増大させるため、効率化のために大型化が必要となり、基本的に[[正規空母]]である必要がある。~
現存する原子力空母は[[正規空母]]の基準で考えてさえ極度に巨大であり、そのユニットコストは極めて膨大である。

また、空母は[[艦隊]]の構成要素であり、そして僚艦はほぼ全て[[通常動力]]である。~
単艦単位で考えても[[艦載機]]は膨大な[[ジェット燃料]]を必要とするし、人員も生活物資や休養を必要とする。~
このため、原子力の採用は艦隊全体の運用効率、[[兵站]]負荷という観点では[[通常動力]]に比べて非効率的である。

**主な原子力空母 [#n1df979d]
-[[アメリカ海軍]]
--[[エンタープライズ]](退役)
--[[ニミッツ>ニミッツ(航空母艦)]]級
--[[ジェラルド・R・フォード]]級
-フランス海軍
--[[シャルル・ド・ゴール>シャルル・ド・ゴール(航空母艦)]]級
-ソ連/ウクライナ
--ウリヤノフスク級(1143.7計画『オリョール』型)(建造中止)
-インド海軍
--ヴィシャル級(計画中)
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#ref(http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/af/USS_Enterprise_%28CVN-65%29.jpg/640px-USS_Enterprise_%28CVN-65%29.jpg)~
世界初の原子力空母「[[エンタープライズ]]」。2012年12月退役。

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