【原子爆弾】(げんしばくだん)

核分裂反応により、同量の火薬とは比較にならないほどの爆発を発生させる爆弾。
特殊な技術で精製(高濃度化)されたウラニウム235?またはプルトニウム239が原料で、これらの物質が核分裂の臨界状態に達することで放出されるエネルギーを利用している。

起爆方式としては、ウランやプルトニウム等の原料の周囲に爆薬を配置し、同時に爆発を起こして周りから中心に向かって高温高圧をかけること(爆縮工程)により、圧縮されて高密度化した原料が臨界に達し、爆縮の終わりと共に一気に反発(核爆発)する「爆縮型」(インプロージョン型)と、筒の両端に原料を置き、片方を爆薬の爆発力で加速し反対側にぶつけて臨界を起こさせ爆発させる「砲身型」(ガンバレル型)の2種類がある。
広島で使用されたウラン原爆「リトルボーイ」には砲身型が、長崎で使用されたプルトニウム原爆「ファットマン」には爆縮型が使用されていた。
砲身型は仕組みが単純で容易に開発できるが核分裂の効率が非常に悪く、爆縮技術の実用化後は爆縮型が主流となっている。

核兵器の技術というのは、この「爆縮工程」の技術と言っても過言ではなく、瞬時に高温かつ高圧で均等に爆縮を行わなければ決して爆発を起こす事が出来ないため、非常に高度な計算と技術を要する。

第二次世界大戦中にアメリカが世界に先駆け実用化し、1945年8月6日に広島、同年8月9日に長崎に投下され、それぞれ数十万人もの死傷者を出した「悪魔の兵器」。
熱と爆風による一次被害も大きいが、爆発と同時に放出される放射線や「死の灰」と呼ばれる放射性物質による癌・白血病など、二次的な健康被害も多数確認されている。

関連:核兵器 水素爆弾 中性子爆弾


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS