【拳銃】(けんじゅう)

hand gun / pistol

hand gun(ハンドガン)の訳語である場合は片手で保持して撃つ事が可能な銃の総称(とはいえ普通は両手で構えて撃つ)。
pistol(ピストル)の訳語である場合はハンドガンのうち「銃身と薬室が一体化しているもの(リボルバーではないもの)」のみを指す。
普通は半自動式拳銃の略語として使われるが、散弾銃短機関銃自動小銃を切り詰めてストック(両手で構えた時に銃身を支えるための肩当て)を取り外したものも含まれる。

「ピストル」の語源は諸説あり、イタリアの都市ピストイア(Pistoia)で広まった小型の銃という説、ボヘミア地方で管や笛を意味する言葉だったピスタラ(Pistala)から来ているという説などがあり、定説はない。
しかしどちらにせよ、16世紀初頭のマスケット銃を切り詰めた物が拳銃の起源なのは確かなようで、当初は士官や騎兵の補助武器として使われていた*1

銃身が小さく短いため命中率が低く、きちんと標的を狙って撃つには熟練を要し、有効射程も短い。このため、小銃などの主兵装を失ったか携行できない兵士*2のための護身用として用いられる。
しかし屋内での白兵戦でも簡単に取り回して発砲でき、また軽く小さく携帯が容易なため、現代のテロリズム、カウンターテロ、警察などで活用される。
また、隠し持つ事も容易なため犯罪の凶器としても一般的。

関連:小銃 短機関銃 軽機関銃


*1 片手で使う都合上、ホイールロック式(歯車を回して摩擦熱で着火する)が初期の主流。ただし江戸時代の日本では技術的理由から火縄銃を切り詰めた短筒、馬上筒が使われていた。この不便な銃しか存在しなかったため明治維新まで刀が廃れなかったとも言われる。
*2 たとえば戦車兵や航空機の搭乗員など

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