【月光】(げっこう)

  1. 中島 J1N2.
    日本海軍の双発夜間戦闘機米軍でのコードネームは"Irving"。
    中島飛行機が開発を担当した。
    陸攻援護専用の遠距離戦闘機として、1938年に「十三試双発陸上戦闘機」の名称で開発が開始され、1941年に試作機が完成。同年5月に初飛行した。

    開発時には零戦を上回る最高速度や運動性、 九六陸攻と同程度の航続距離や航法装置を求めたため、非常に大型の機体として完成した。
    しかし、速度や航続力はほぼ要求通りではあったものの、運動性能が劣っていたこと、遠隔操作式7.7mm動力旋回機銃の信頼性が低いこと、また既に零戦が長距離援護戦闘機として活躍していたこともあって戦闘機としては不採用となった。

    だが、海軍は九八式陸上偵察機?以外に本格的な陸上偵察機を保有していなかったため、この機体を強行偵察が可能な偵察機に転用することを計画。
    試作機を改造し実用試験を行った結果、1942年7月に「二式陸上偵察機」として採用される事となった。

    制式配備後はラバウル方面などに送られ、九八式陸上偵察機ではこなせなかった長距離偵察を行うなどの成果を収めた。
    その後、胴体上部に斜銃を付けた機体が敵爆撃機迎撃に大きな戦果を挙げたため、当機体を複座に改め、丙戦(夜間戦闘機)に改修した機体を 夜間戦闘機「月光」として制式採用した。

    本機の登場により、一時はB-17やB-24によるラバウルへの夜間爆撃を押さえ込むことに成功した。
    しかし、夜間爆撃が行われなくなった後は、中部太平洋やフィリピンを巡る戦いでは夜間迎撃より夜間偵察や敵基地等の夜間襲撃等に用いられることが多くなった。

    本土防空戦においては、P-51が援護戦闘機として登場するまではB-29の迎撃に出撃した。しかし、速度や高々度性能の不足、また飛来するB-29に比して迎撃機数が少ないこともあって、十分な戦果を挙げることはできなかった。

    【スペックデータ(「月光」一一型)】
    機体略号J1N1-S
    乗員数2名
    全長12.13m
    全高4.56m
    全幅17m
    翼面積40
    自重4,562kg
    最大重量7,527kg
    プロペラハミルトン定速3翅
    発動機中島「栄」二一型空冷複列星形14気筒(公称1,100馬力)×2基
    最高速度504km/h(高度5,840m)
    上昇限度9,320m
    航続距離2,547〜3,778km
    武装20mm斜銃×4挺(上方・下方固定各2挺)
    爆装250kg爆弾×2発

    【派生型】
    ・十三試双発陸上戦闘機(J1N1):
    機首20mm機銃×1挺+7.7mm機銃×2挺、後上方遠隔操作式7.7mm動力旋回連装機銃2基、後下方手動式7.7mm旋回機銃1挺を備えた援護戦闘機型。試作のみ。
    試作機の一部は偵察用カメラを装備して陸上偵察機に、また別の機は斜銃を装備して夜間戦闘機に改造。陸戦型試作機の発動機は栄二一型、二二型を搭載している。

    ・二式陸上偵察機一一型(J1N1-R):
    後上方遠隔操作式動力旋回7.7mm機銃を廃止し、操縦員席と燃料タンクに防弾装備を追加した陸上偵察機型。
    発動機は栄二一型を搭載。

    ・月光一一型(J1N1-S):
    夜間戦闘機型。
    陸偵型からの改造機の他に、陸偵型と並行生産された段有り胴体の前期型と陸偵型生産終了後に生産された段なし胴体の後期型がある。
    初期は20mm斜銃を上向き下向き各2挺ずつ装備していたが、後期は上向き2挺のみ。
    レーダー推力式単排気管を追加装備した機も存在する。

    ・月光一一甲型(J1N1-Sa):
    下向きの20mm斜銃を廃止し、上向きの20mm斜銃を3挺に強化した型。
    一一型からの改造機や一一型同様、レーダーや推力式単排気管を追加装備した機も存在する。

  2. 航空自衛隊におけるF-86D「セイバー」の非公式愛称。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS