【迎え角】(むかえかく)

Angle of Attack (AoA)

主翼に対する対気速度ベクトルの方位・角度。
図面や計器では「α」の略号で表される事が多い。

翼の揚力抗力を調節する意図でのみ参照されるため、一般的な角度の表記は用いない。
通常、前上がりになるほどプラス、前下がりになるほどマイナスになる。

迎え角が高いほど、機体への揚力が増大して上昇・高度維持しやすくなり、抗力も増大して速度が低下する。
このため低速な離陸着陸時には迎え角を大きく取り、巡航中には迎え角を小さく抑えて加速する。
迎え角を大きく取りすぎると失速を起こす危険があるため、航空機事故の多くは離着陸に際して発生する。

近年のフライバイワイヤーでは、迎え角が高くなりすぎないように自動制動を行っている事が多い。

また、迎え角は旋回をするためにも重要である。
機体が旋回挙動を取ると迎え角は増大し、旋回半径が小さい(急激に曲がる)ほど迎え角が大きくなる。
この場合も、迎え角を大きく取り過ぎると減速・失速スピンなどを起こす危険性がある。
このため、マニューバーが想定される戦闘機では、高い迎え角における揚抗比に優れた主翼が求められる。


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