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*&ruby(むかえかく){【迎え角】}; [#oadb9dec]
Angle of Attack (AoA)~
[[主翼]]が受ける気流の角度のこと。~
具体的には翼弦線(前縁と後縁を結んだ線)の方位と、[[対気速度]]ベクトルの方位とが成す角度である。~
主として[[昇降舵]]により制御されるが、機体の[[ピッチ]]角と同一のものではなく、また風などの影響を受けることにも注意する必要がある。~

迎え角は、[[速度]]とともに翼の[[揚力]]と[[抗力]]を決定する重要なパラメーターのひとつである。~
迎え角や[[速度]]が大きいと、一般に[[揚力]]と[[抗力]]がともに増大する。したがって迎え角と[[速度]]とは、一般にトレードオフの関係となる。~
離着陸時など、翼の[[揚力]]が小さくなる低速状態では、迎え角を大きく取って[[揚力]]を増大させるとともに、[[抗力]]も増大させて[[速度]]を抑える。迎え角を大きく取りすぎると極端な[[速度]]低下や[[失速]]に至るおそれがあるため、かわりに[[フラップ]]などを使って一時的に[[揚力]]を増大させる。~
高速で飛行する際には迎え角を小さく取り、[[抗力]]を抑える。一般に[[速度]]が速ければ[[揚力]]も大きくなるため、迎え角を大きく取る必要はない。~

また、迎え角は旋回をするためにも重要である。[[戦闘機]]の[[ドッグファイト]]に求められるような、回転半径の小さな旋回をするためには、大きな迎え角を取る必要がある。~
これもまた、大きすぎる迎え角による[[速度]]低下や[[失速]]、[[フラットスピン]]などへ陥る危険性を持つ。このため[[戦闘機]]には、迎え角が大きくても[[揚抗比]]の優れた[[主翼]]が求められる。~
[[T尾翼]]を持つ[[F-104]]には、迎え角を制限するための「ノッカー」と呼ばれる機構が備えられていた。これは空力的な状態とは無関係に、機械的かつ強制的に[[昇降舵]]の舵角を戻すものであったため、かえって危険な状態になることも多く、[[パイロット]]には不評であった。~
[[T尾翼]]を持つ[[F-104]]には、迎え角を制限するための「キッカー」と呼ばれる機構が備えられていた。これは空力的な状態とは無関係に、機械的かつ強制的に[[昇降舵]]の舵角を戻すものであったため、かえって危険な状態になることも多く、[[パイロット]]には不評であった。~
近年の[[飛行機]]では、[[フライバイワイヤー]]を用いた安全性の高い[[リミッター]]を備えるものが増えている。~

機体に求められる飛行特性に応じ、あらかじめ[[主翼]]を斜めに取り付けて、機体の[[ピッチ]]が小さくてもある程度の迎え角を得られるように設計される。低速用の機体ほど、この取り付け角が大きくなる傾向にある。~
[[F-8]]のように、取り付け角が可変式のものも存在する。~

迎え角を示すには一般的な「度」や「ラジアン」ではなく、「ユニット」と呼ばれる独自の単位を用いる。(ユニットという言葉自体が単位を意味するので、自家中毒的な表現ではあるが)~
迎え角を示すには一般的な「度」や「ラジアン」ではなく、「ユニット」と呼ばれる独自の単位を用いる。((ユニットという言葉自体が単位を意味するので、自家中毒的な表現ではあるが))~
これはその数値を、翼が適切な[[揚力]]を得られるようにする目安とするためである。~
離着陸時には特に注意すべき数値であり、[[HUD]]の離着陸モードではこのユニットを表示するものが多い。~


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