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*&ruby(けいそうこうきどうしゃ){【軽装甲機動車】}; [#t07c290f]
[[自衛隊]]が[[歩兵]]の近接戦闘、及び対ゲリラ・コマンド用装備として2002年に採用した四輪駆動車。~
「ライトアーマー」という愛称がついているが、隊員からは「LAV(ラヴ)」と略称で呼ばれることが多い。~
[[陸上自衛隊]]だけでなく、[[航空自衛隊]]、[[海上自衛隊]]でも採用が決まっている~
[[防衛省]]が、[[陸上自衛隊]]における[[普通科]]隊員([[歩兵]])の[[近接戦闘>白兵戦]]、及び[[対ゲリラ・コマンド>ゲリラ戦]]用装備として2000年度に採用した((開発にあたって、コスト削減のため[[商用オフザシェルフ]]を取り入れたため、「[[制式]]」ではなく、一段階手続きの簡易な「部隊使用承認」として採用された。このため「○○式〜」という名称はついていない。))、四輪駆動式の装輪[[装甲兵員輸送車]]。~
大手建設重機メーカーの「小松製作所」が生産を受け持っている。~
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本車は「[[ヘリコプター]]等での戦略輸送が可能であり、また[[普通科]]隊員に軽い[[装甲]]を持たせて戦場を機動させる事が可能な車両」というコンセプトで開発された。~
固有の装備は無いが、天井にハッチが有り、その場所に任務に応じて[[5.56mm機関銃MINIMI>ミニミ]]、96式40mm自動擲弾銃が装備可能であり、[[01式対戦車誘導弾]]などといった自衛火器を、隊員自らが体を出して発射することも可能である。~
軽装甲故に[[対物ライフル]]や[[ロケット弾]]などといった強力な火器には対処出来ないが、車体には[[小銃弾]]や砲弾の破片を防ぐ最大10mm厚の圧延均質鋼板製[[装甲]]と窓ガラスには防弾ガラスを装備、走破性も高くある程度の渡河能力を有する。~
またパンクしてもある程度の走行が可能である。~
[[自衛隊]]の装備の割には調達ペースが速く、価格も比較的安い(年間150両、一両3200万円)のも特徴といえる。~
[[防衛省]]の定めた公式[[愛称]]は「ライトアーマー」であるが、[[隊員>自衛隊員]]からは「LAV(ラヴ)」という略称で呼ばれることが多い。~
[[陸上自衛隊]]だけでなく、[[航空自衛隊]]でも採用されている。~
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イラク派遣仕様のモデルは、防弾ガラスの厚みを増やし、車体下面に耐[[地雷]]装甲、側面にも増加装甲を施し、機関銃座の防御力強化やワイヤーカッターが装備されるなどの改修が施されていた。~
このため、当時の活動拠点であったサマーワで共に行動していた他国軍の将兵からは~
「我が軍にも是非欲しい装備」~
と羨望の眼差しで見られていたそうである。~
一方で、デザインがフランスのパナール社が開発した「VBL」軽装甲車に非常に似ていることから、「なぜフランス車を買ったのだ?」と勘違いされることもあったという(サマーワで共に活動していたオランダ兵の中には、本車がパナール社製だと信じて疑わない者もいたようである)。~
本車の開発コンセプトは「[[ヘリコプター]]等での戦略輸送が可能で、[[普通科]]隊員に軽い[[装甲]]を持たせて戦場を[[機動]]させる事が可能な車両」というものであった。~
固有の装備は無いが、天井のハッチ部分に[[ターレット>砲塔]]を有し、搭乗する隊員が身を乗り出して射撃する事も可能。~
[[96式40mm自動擲弾銃]]、[[01式対戦車誘導弾]]、[[M2 12.7mm重機関銃>ブローニングM2]]、[[5.56mm機関銃MINIMI>ミニミ]]を設置する場合が多い。~
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なお、開発・生産しているメーカーが建設重機メーカーの小松製作所なだけあってか、駆動音は車両というよりも環境配慮型低騒音建設機械のエンジン音に似ている。~
また、笑い話だがイラク派遣前、空薬莢を集める袋を外して機関銃の[[フルオート]]射撃を行ったところ、落下した薬莢が天井ハッチの蝶番に挟まり開閉不能になるという不具合(?)が露見した。~
[[装甲]]は軽量で[[対物ライフル]]・[[ロケット弾]]以上の火力には対処出来ないが、[[小銃弾]]や[[榴弾]]の破片程度は防げるという((後のイラク派遣仕様のモデルでは、防護性能を強化する改修が施された。&BR;  窓の防弾ガラスを厚くし、車体下面に耐[[地雷]]装甲、側面にも増加装甲を施された。&BR;  また、機関銃座も防御力が強化され、ワイヤーカッターが装備された。))。~
走破性・機動性が高く、ある程度の渡河能力も有する。~
また、タイヤがパンクしてもある程度の走行が可能である。~
~
調達価格は一両3,000万円程度で、年間約150両程度のペースで導入されており、2016年現在で1,937両が使用されている((内訳は陸自が1,818両、空自が119両。))。~
>これは、従来の[[装甲兵員輸送車]]である[[60式装甲車]]や[[73式装甲車]]と比べてかなり早い調達ペースであり、[[第二次世界大戦]]後の日本で最も多く生産されている装甲車両ともなっている。

車体デザインはフランス・パナール社のVBL軽装甲車に酷似している((このためか、イラク人道復興支援に派遣された時、宿営地となったサマーワで共に活動していたオランダ兵から「なぜフランス車を買ったのだ?」と質問されたこともあるという。))が、輸入品ではなく国産である。~
前述の通り、建設重機メーカーの製品であることもあってか、駆動音は車両というよりも環境配慮型の低騒音建設機械に近いという。~

**スペックデータ [#w44ee113]
乗員:4名(前席2名・後席2名、ターレットハッチを開け、後部座席間にガナーを立たせる場合は+1名)~
全長:4.4m~
全幅:2.04m~
全高:1.85m~
重量:4.4t~
登坂力:60%~
超堤高:0.5m~
超壕幅:0.75m~
最高速度:約100km/h~
エンジン:4サイクル水冷ディーゼルエンジン(出力160ps/rpm)~
行動距離:約500km~
兵装:76mm4連装発煙弾発射器2基、[[96式40mm自動擲弾銃]]、[[01式対戦車誘導弾]]、[[M2 12.7mm重機関銃>ブローニングM2]]、[[5.56mm機関銃MINIMI>ミニミ]]を装備可能。~
|乗員|4名(前席2名・後席2名。ターレットに射手を立たせる場合は+1名)|
|全長|4.4m|
|全高|1.85m|
|全幅|2.04m|
|重量|4.4t|
|懸架・&br;駆動方式|フロアシフトタイプ4速AT及びHi・Lo切替レバー装備、デフロック等&br;前輪:ダブルウィッシュボーン&br;後輪:セミトレーリングアーム|
|[[エンジン]]|いすゞ自動車製直列4気筒[[液冷>液冷エンジン]][[ターボチャージド>ターボチャージャー]]・[[ディーゼル>ディーゼルエンジン]]&br;(排気量4,800cc、出力160hp)|
|登坂力|60%|
|超堤高|0.5m|
|超壕幅|0.75m|
|最高速度|約100km/h|
|[[行動距離>航続距離]]|約500km|
|[[装甲]]|[[圧延鋼板>鉄]]・防弾ガラス|
|兵装|[[ターレット>砲塔]]上部防楯付き銃架に[[M2 12.7mm重機関銃>ブローニングM2]]、[[5.56mm機関銃MINIMI>ミニミ]]等|
|製作|小松製作所|
~
**バリエーション [#c3604114]
-中隊長指揮用~
通信用機能を強化したタイプ。~
-無線機搭載車:~
通信用機能を強化したタイプ。アンテナを1〜3本装備している。~
中隊長など各種指揮官用として配備。~
中隊長車は大型無線機(JVRC-F10/F11/F20など)を搭載するためアンテナマストも大型のものを装備している。~
~
-小隊長指揮用~
煙幕発射器を側面後部に付加したタイプ。~
-[[発煙弾>スモーク弾]]発射機搭載車:~
煙幕発射器を側面後部に2基装備したタイプ。~
中隊長車用、小隊長車用のほか、[[偵察]]隊・[[普通科]][[連隊]]情報小隊用として配備。~
~
-機関銃搭載用~
機関銃用の防盾付きタイプ。~
-機関銃搭載用:~
[[機関銃]]用の防盾付きタイプ。防盾は走行時の支障とならないよう、折りたたむこともできる。~
また、後部に装備積載用ラックを現場にて改修した車両も存在する。~
[[普通科]][[連隊]][[普通科]][[小銃]]小隊([[機関銃]]手)に配備、他には[[偵察]]部隊(情報小隊)の[[威力偵察>偵察]]用。~
~
-偵察用~
機関銃搭載用に後部天板部に荷物積載用スポークが付加されたタイプ。~
~
-[[01式対戦車誘導弾]]積載用~
-[[01式対戦車誘導弾]]積載用:~
全天板部がフラットになっているタイプ。~
~
-国際活動仕様:~
イラク人道復興支援活動部隊で使用されたタイプ。~
漏斗型装甲板やワイヤーカッターが追加され、防弾ガラスを7.62mm[[小銃弾]](普通弾)に抗たん可能なものに変更、ラジエーターも砂塵対策が施されている。~
後面にはスペアタイヤと燃料缶取付用ラックを装備。~
[[部隊]]管理ではなく補給処にて一括管理されている。~
~
-[[航空自衛隊]]仕様:~
[[基地警務隊>警務科]]用。~
陸自用と異なり、オリーブ・グリーン一色の塗装で無線機アンテナ形状が異なる。~
~
-[[警務隊>警務科]]仕様:~
パトライトと拡声器を追加し、「[[MP>憲兵]]」という表記がされたタイプ。~
~


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