【軽装甲機動車】(けいそうこうきどうしゃ)

自衛隊歩兵の近接戦闘、及び対ゲリラ・コマンド用装備として2002年に採用した四輪駆動車。
「ライトアーマー」という愛称がついているが、隊員からは「LAV(ラヴ)」と略称で呼ばれることが多い。
陸上自衛隊だけでなく、航空自衛隊海上自衛隊でも採用が決まっている

本車は「ヘリコプター等での戦略輸送が可能であり、また普通科隊員に軽い装甲を持たせて戦場を機動させる事が可能な車両」というコンセプトで開発された。
固有の装備は無いが、天井にハッチが有り、その場所に任務に応じて5.56mm機関銃MINIMI、96式40mm自動擲弾銃が装備可能であり、01式対戦車誘導弾などといった自衛火器を、隊員自らが体を出して発射することも可能である。
軽装甲故に対物ライフルロケット弾などといった強力な火器には対処出来ないが、車体には小銃弾や砲弾の破片を防ぐ最大10mm厚の圧延均質鋼板製装甲と窓ガラスには防弾ガラスを装備、走破性も高くある程度の渡河能力を有する。
またパンクしてもある程度の走行が可能である。
自衛隊の装備の割には調達ペースが速く、価格も比較的安い(年間150両、一両3200万円)のも特徴といえる。

イラク派遣仕様のモデルは、防弾ガラスの厚みを増やし、車体下面に耐地雷装甲、側面にも増加装甲を施し、機関銃座の防御力も強化されるなどの改修が施されていた。
このため、当時の活動拠点であったサマーワで共に行動していた他国軍の将兵からは
「我が軍にも是非欲しい装備」
と羨望の眼差しで見られていたそうである。
一方で、フランスのパナール「VBL」装甲車に非常にデザインが似ていることから、「なぜフランス車を買ったのだ?」と勘違いされることもあったという(サマーワで共に活動していたオランダ兵の中には、本車がパナール社製だと信じて疑わない者もいたようである)。

なお、開発・生産しているメーカーが建設重機メーカーの小松製作所なだけあってか、駆動音は車両というよりも環境配慮型低騒音建設機械のエンジン音に似ている。
また、笑い話だがイラク派遣前、空薬莢を集める袋を外して機関銃のフルオート射撃を行ったところ、落下した薬莢が天井ハッチの蝶番に挟まり開閉不能になるという不具合(?)が露見した。



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