【計器飛行】(けいきひこう)

機内の窓から外を視認する事を一切せず、計器のみに依存して航空機を操縦する事。

主に悪天候・夜間・空間識失調など、視界や知覚認識に対する障害が想定される。
計器飛行の技術を習得していなければ正常な運航が不可能となるような局面も多い。

計器だけでは想定外の危険を予期できないため、原則として必要な時にのみ行う*1
特にUFOとのニアミスや地形の隆起などは肉眼で見張る事でしか回避できない。

なお、「計器飛行を行わない」事は必ずしも計器を利用しないという事を意味しない。
計器そのものが故障している場合を除き、計器を利用せずに飛ぶという事はありえない。

ダッシュボードを一切見ずに自動車を運転しようとする運転手がいないのと同じである。
実際問題、正しく訓練された人間にとって、計器を無視するなど到底できる事ではない。

日本語における類義語

計器飛行方式
利用できる限りの計器航空管制官を最大限に利用し、飛行計画を提出して飛ぶ事。
必要な時に計器飛行を行う事も想定されるが、肉眼で確認する事を特段否定しない。
計器航法
航法による位置・針路の確認を計器のみに頼って行う事。
成層圏や海上など、眼下の地形を見ても位置を確認できない状況が想定される。
計器飛行とは異なり、高度や機位については視覚的な判断にも頼る。
計器飛行証明
エビエーターの技術資格。計器飛行を行う技術を習得した事の証明。
航空機操縦に必須ではないが、旅客機貨物機などの定期航路では必ず要求される*2

*1 日本の航空法第93条では「地上の物標を利用できる場合には計器飛行を行ってはならない」と定めている。
*2 日本では定期運送用操縦士准定期運送用操縦士の資格を取得する際の必須科目となっている。

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