*&ruby(ぐんば){【軍馬】}; [#a52df566]
[[軍隊]]で使役できるように訓練された馬。「戦馬」とも。~
~
兵器として使われる馬には、血液の匂いを嫌がらず、人を踏みつけることをいとわないことが求められる。~
そのため、訓練(調教)では「手綱を用いずとも反応すること」「周囲の戦闘音に耐えること」「[[騎兵]]の用いる鎧と武器に慣れること」が求められていた。~
また、敵兵を蹴ったり、噛みついたりするように訓練された馬もいた。~
~
**略史 [#g4ec7258]
軍馬は、人類が馬を家畜化した紀元前4000年ごろ、[[騎兵]]が登場するとともに出現した。~
当初は騎馬戦車の牽引に用いられたが、その後、騎兵の発達に合わせて変化を遂げていく。~
~
中世代には、重い鎧をまとった[[騎士]]を戦場に連れて行く強さとスタミナを備えた大型の馬が出現。~
この馬は、その後も品種改良のベースとなり、現代の競走馬やばん馬などの先祖ともなった。~
~
近世になって、銃器の発達で騎兵が時代遅れの兵科になると、軍馬は偵察・伝令・長距離行軍・重砲の牽引・兵站輸送の荷役手段として使役されるようになっていったが、20世紀半ばからの自動車の発達([[機械化]])で、兵器としての馬――軍馬はほぼ姿を消すことになった。~
~
しかし現在でも、儀礼用のごく小規模な騎馬部隊を持つ軍隊は多く、完全に姿を消してはいない。~
また、上述の通り、軍馬の発展は馬の品種改良を大きく促し、現在のスポーツ(競馬・馬術競技)や使役(ソリ・馬車の牽引など)に用いられる馬たちにその血統は受け継がれている。~

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS