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*&ruby(ぐんじかくめい){【軍事革命】}; [#dc1e79e9]
Revolution in Military Affairs (RMA)~
技術革新による[[軍事]]の劇的な変化のこと。~
これまでの人類史上で7回あった、とされており、歴史の古い順にあげると以下の通りとなる。~

+青銅器の登場
+弓矢・投石機の登場
+[[騎兵]]戦術の確立
+[[火器>ガン]]の実用化
+[[国家総力戦]]の概念
+[[装甲車両>戦車]]および[[航空機]]の発達
+[[核兵器]]による[[相互確証破壊]]

そして現在、人類は第8の軍事革命を迎えている、といわれており、それは[[冷戦]]終結による[[軍隊]]の量的削減と情報通信技術の劇的向上により訪れた戦闘の変革である。~
すなわち、[[データリンク]]装置、[[全地球測位装置]]、精密誘導兵器、高い機動性を持つ部隊などからなる、警戒・通信・指揮・攻撃の統合システムの運用であり、これらによって戦闘の様相が以前と全く違うものになる。~
**第八の軍事革命 [#ed2f637f]
単に「軍事革命」と称する場合、現在進行形で発展しているといわれる第八の軍事革命を指す事が多い。

その発端は[[冷戦]]終結による[[軍隊]]の量的削減と、情報通信技術の劇的向上によるもので、~
[[データリンク]]、[[全地球測位装置]]、精密誘導兵器、高い[[機動]]性を持つ部隊などの諸要素によって成される。~
その結果として起きるのは警戒・通信・指揮・攻撃が高度に統合された次世代の[[電撃戦]]であり、これらによって戦闘の様相が以前と全く違うものになる。~
~
具体的には、従来のように相手国軍の兵員・装備を物理的に破壊するための消耗戦から、圧倒的情報優勢と高速度かつ大容量の[[データリンク]]による「指示を待たない」極めて迅速な指揮及び移動により、相手国が反撃に出る余地の無い短時間で主要な指揮統制施設、通信施設などを同時に複数を物理的(ハードキル)若しくは論理的に破壊(([[スパイ]]・[[特殊部隊]]によるサボタージュや[[サイバーアタック>サイバーテロ]]等の方法により行われる))([[ソフトキル]])し、相手国の兵員・装備には殆どダメージが無いまま指揮統制を乱し無力化する「麻痺戦」への変革である。~
具体的に引き起こされる変化は以下のようなものになる。
-勝利のための基本的軍事行動
--軍事革命以前:相手国軍の兵員・装備を物理的に破壊するための消耗戦
--軍事革命以後:[[指揮統制>C3I]]を破壊し兵員・装備を無力化するための麻痺戦
-開戦直後の[[展開]]
--軍事革命以前:前線の即応部隊が時間を稼ぎつつ情報を収集し、さらなる指示と増援を待つ
--軍事革命以後:情報優勢と高速大容量の[[データリンク]]による「指示を待たない」迅速な指揮と[[展開]]
-作戦運用における中核
--[[戦車]]、[[戦闘機]]などに代表される地域制圧のための戦力、および奇襲に対応するための護衛能力
--[[スパイ]]、[[特殊部隊]]、[[サイバーアタック>サイバーテロ]]など、占領以前にも活動できる諜報・破壊工作員

こうした概念は1990年代以降の[[湾岸戦争]]や[[コソボ紛争]]、[[イラク戦争]]において実証された。~
アメリカと敵対した軍隊は戦争の初期段階で[[指揮統制>C3I]]を乱され、大多数の[[部隊]]が無傷であったにも関わらず戦況を把握できず立ち往生を余儀なくされた。~
その後は抗戦を強行した[[部隊]]との散発的な遭遇戦に終始し、軍隊を撃滅することなく終戦を迎えている。~
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こうした概念は1990年代以降の[[湾岸戦争]]や[[コソボ紛争]]、[[イラク戦争]]において実証され、アメリカと敵対する国家はほぼ初期の段階で軍隊としての統制を乱された。~
戦闘部隊自体はほぼ無傷であったが、もはや組織的な抵抗は不可能な状態であり、それでも抗戦した部隊はその後の戦闘で多大な損害を出した。~
そしてこれらの戦争では軍隊を完全に撃滅することなく政権崩壊もしくは終戦を迎えている。~
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現代軍隊にとって最重要課題であるが、実現できたのは[[アメリカ軍]]のみ。~
現代の軍隊にとって最重要課題である事は間違いないが、現在の所この思想を実現できたのは[[アメリカ軍]]のみ。~
このため、現在の情報軍事技術が各国の常識となった後の戦争については十分な予測・研究が成されていない。

関連:[[トランスフォーメーション]] [[非対称戦争]]


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