【軍事衛星】(ぐんじえいせい)

主に軍事目的で使用されている人工衛星
現在運用されているものは、大別して以下の4種類に分類される。

偵察衛星
通称「スパイ衛星」。他国の軍事施設軍隊の動きを監視するための衛星。
デジタルカメラ撮影、レーダー探査、ミサイル発射を探知するための赤外線探知などの機能を備えている。
軍事通信衛星
軍用の暗号通信を中継するための通信衛星。
軍事気象衛星
戦場や輸送経路の天候を観測するための衛星。
軍事航法衛星
GPSなど、軍隊の行動に必要な航法を支援するための衛星。

関連:ナブスター

攻撃衛星

現状において、人工衛星の軍事利用は観測と通信のみに限られている。
実際の戦闘行動を実施するには宇宙空間は過酷に過ぎ、ペイロード運搬コストも膨大の一言に尽きるからだ。

なお、現代では国連の定めた「宇宙憲章」により、宇宙空間に大量破壊兵器を配置する事が禁じられている。
しかし実際の所、もし攻撃衛星が実用化された場合、宇宙憲章がその後も遵守されるかは疑わしい。

とはいえ、「攻撃を行う人工衛星」というアイデア自体は宇宙開発史そのものと同程度に古い。
構想としては以下のようなものが考えられてきた。

宇宙要塞
衛星軌道上、あるいはもっと遠い宇宙空間に要塞(軍用宇宙ステーション)を建造する、というアイデア。
後述するような宇宙兵器が実用化された場合、それを維持する兵站基地が必要になる可能性は高い。
しかし実際のところ、宇宙に兵站網を構築するために必要なコストは文字通り「天文学的」な規模に達する。
衛星軌道爆撃
爆弾を投下する攻撃機爆撃機として人工衛星を運用する、というアイデア。
輸送単価以外に科学技術上の問題はほとんどなく、金の壁さえ克服できれば現状で最も実現に近い。
とはいえ、弾道ミサイルが実用化された現代ではほとんど無意味な発想である。
衛星軌道降下
衛星軌道上の人工天体や、そこを経由して大気圏に再突入した宇宙機から兵士を空挺降下させる、というアイデア。
兵士の生命維持に膨大なペイロードが必要な反面、現状では戦術的有利は全くない*1
とはいえ、地上と宇宙を容易に往還する輸送機がもし実現すれば、その需要は計り知れない。
レーザー衛星
レーザー砲による狙撃で敵機を撃墜する人工衛星。
地上に対するレーザー発振は非現実的*2であり、基本的には軍事衛星を標的として想定する。
また、弾道ミサイルを成層圏上で迎撃する手段として現在も研究が進められている。
極超音速飛翔体
宇宙空間から超高速の砲弾を発射する、というアイデア。
空気抵抗のない宇宙から高高度の位置エネルギーを利用する事で、地上では到達不能な速度まで加速できる。
100kgの重金属砲弾を時速1万kmまで加速すれば、その破壊力核兵器にも匹敵する。

*1 理論上は地球上のいかなる地点にも強襲部隊を送り込むことができるが、兵站と接続することが困難なため、敵中に孤立して投降玉砕の憂き目を見るリスクが計り知れない。
  さりとて、兵站と接続できる距離であれば宇宙空間を経由して兵員を運ぶメリットは全くない。

*2 大気圏内でレーザーを照射すると、標的までの距離が離れれば離れるほどエネルギーの減衰が激しくなる。

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