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*&ruby(くうれいえんじん){【空冷エンジン】}; [#l0751c98]
[[内燃機関]]の一種で、放熱板に外気を当てることで冷却し、焼き付きを防ぐ機構を備えたもの。~
放熱板を単純に外気に晒す自然冷却式と、送風ファンを接続して積極的にエンジンブロックに風を送り込む強制冷却式とがある。~
[[内燃機関]]の分類のひとつ。~
[[レシプロエンジン]]や[[ロータリーエンジン>ヴァンケルエンジン]]のうち、外気との熱交換で冷却を行うもの。~
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[[飛行機]]に使用した場合、[[液冷エンジン]]に比べて大馬力を出すのが容易で、被弾に強いうえ故障も少ないが、高々度性能が低く、[[前面投影面積]]が大きくなることが欠点となる。
表面積の大きなヒレ状の放熱板を燃焼室の周囲に取り付け、これに外気を当てる事で冷却を行う。~
単純に外気にさらすだけの「自然冷却式」と、送風機で外気を送り込む「強制冷却式」等に種別される。~
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構造が[[液冷エンジン]]と比較して単純で整備しやすく、故障や損傷にも強い。~
反面、放熱関連の部分に大きな体積が要求されるため、出力の大きいものは許容しがたいほど巨大化する事がある。~
また、大気の状態に影響を受けやすく、特に熱帯気候での使用に適さない。~
機構の一部が外気に露出しているため排気・騒音などの遮蔽が困難で、「環境問題」が顕在化して以降の時代にはこれも設計上の欠点となった。~
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関連:[[液冷エンジン]] [[ガスタービン]] [[ジェットエンジン]]

**需要 [#xd843785]
特性上、出力が低い小型エンジンにおいて有利であり、小型二輪車や徒手携行用(伐採など)の[[内燃機関]]としては現代でも主流。~
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自動車用[[エンジン]]として長らく主流だったが、排気・騒音に関する法規制によって出荷不能となる事例が相次ぎ、2000年以降はほぼ全ての需要を喪っている。~
時代を経るごとに[[エンジン]]の高出力化と[[液冷エンジン]]の技術的成熟が進んだため、1970年代にはもはや"原始的"な空冷式を採用する利点は薄れつつあった。~
「停車中に稼働させ続けると過熱の恐れがある」「排気が混入するため廃熱を暖房に転用できない」といった空冷エンジン特有の欠点があった事も否めない。~
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[[航空機]]用[[エンジン]]としても広く普及していたが、当初から[[液冷エンジン]]と比較され、液冷式では問題が生じるための消極的理由で空冷式を採用した事例が多い。~
例えば戦前の日本では工業基盤の未熟さから[[液冷エンジン]]の製造が困難であったし、同時代のアメリカ製[[軍用機]]は輸出や長征による整備不良を見越して空冷式を採用していた。~
いずれにせよ[[ジェットエンジン]]の登場によって航空用空冷エンジンの需要は絶たれ、現在では[[超軽量動力機]]にわずかな残滓を留めるのみとなっている。


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