【空弁】(そらべん)

日本の空港(特に国内定期航空路線が発着する空港)で、主に乗客向けに販売されている弁当。
鉄道の「駅弁」をもじって「空港の弁当」という意味でつけられたネーミングであり、駅弁と同様に、空港周辺の名産品を食材として採用し、地域ごとの独自色を出したものが多い。

こうした商品が出現した背景には、1990年代以後、(それまでのいわゆる45/47体制の崩壊に伴う)航空運賃の自由化によって価格競争が激化したことがあげられる。
(元々、日本の国内線は飛行時間が1〜2時間内外と短い路線が多いが)価格競争激化による経費節減のため、国内線では機内食サービスが廃止されてしまったこと*1や、航空券インターネット予約が普及したことで空港での滞在時間が短縮されたことから、搭乗前に弁当を購入して機内で食べる乗客が増加した。
そのため、2000年代頃より、機内で食べることに特化した弁当が開発されるようになったのである。

列車に比べて室内の気密性が高く、座席も狭い旅客機キャビンに持ち込んで1時間前後の飛行中に食べられるように、パッケージは比較的小さく、においの強くない料理や食材がチョイスされることが多い。
また、旅客機では洗面所がトイレの中にあり、そのトイレも列車に比べて狭いため利用しにくいことから、なるべく食事中に手が汚れないような配慮がされている。


*1 その後、飲み物の無償提供は復活している。また、軽食やお菓子の提供を行っている会社もある。

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