【空中給油】(くうちゅうきゅうゆ)

航空機が基地、飛行場、航空母艦に着陸せず、空中で飛行を続けたまま行う給油のこと。
これを行うことによって被給油機の航続距離を飛躍的に伸ばし、さらに着陸して行う給油よりもはるかに時間を短くできるため、CAPや訓練の高効率化、奥地侵攻等が可能である。
また、着陸する前に燃料切れによる墜落が発生するものと予測される場合の救助・事故予防にも使われる。
1923年にアメリカ陸軍が初めて実験を行って以来各国で研究が進められていた。第二次世界大戦以降ジェットエンジンを搭載したジェット機が戦闘機の主流となってから研究は加速し、朝鮮戦争後くらいに確立された。以降寄生戦闘機方式から急速に移り変わっていった。
研究が始まったころの空中給油は、給油機がホースをたらし、それを被給油機の後部座席乗員がキャッチして給油口に差し込むというものだったが(下写真参照)、当時の主力であったプロペラ推進ではホースが絡む危険性があり実用には至らなかった。
現在では大きく分けてフライングブーム式とプローブ&ドローグ式の二つが行われている。

専用の空中給油機KC-135K1?トライスター、KC-10?等)が開発されている他、F/A-18S-3等の既存の航空機に給油ポッドをとりつけることもある。

戦闘行動半径を大幅に延長することを実現したが、敵国上空では当然のごとく空中給油は行えないため、作戦機そのものの航続距離性能の重要性は失っていない。

関連:空中加油機 空中における航空機に対する給油機能及び国際協力活動にも利用できる輸送機能を有する航空機

http://www.masdf.com/altimeter/kagamigahara/s/tyep88r.jpg
(初期の空中給油試験。八八式偵察機?)


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS