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【空対空ミサイル】(くうたいくうみさいる) †

Air to Air Missile (AAM) / Air launched Intercept Missile(AIM)

航空機が航空機を撃墜する目的のために設計された誘導弾。
ロケットエンジンにより超音速で目標を飛翔・追尾し、至近距離での爆発で被害を与える。
現代の戦闘機にとって最も重要な武装で、機関砲など従来の武装を半ば過去のものとしている。

一時期は機関砲を標準装備しない戦闘機である「ミサイリアー」も出現した。
しかしベトナム戦争などの戦訓で重大な欠陥が指摘され、現代まで戦闘機は機関砲を装備し続けている。

終端誘導にはアクティブレーダー誘導、またはセミアクティブレーダー誘導を用いるのが一般的。
短距離用ではジェットエンジンの放熱を捉える赤外線誘導方式も用いられる。

長さに応じて「長対空ミサイル」「中対空ミサイル」「短対空ミサイル」と分類される場合がある。
この場合、『長さ』とは有効射程を指し、ミサイル自体の物理的な長さではない。
ただし、搭載燃料の体積はほぼ射程に比例するため、射程の長いミサイルほど大型化する傾向はある。

なお、現在のミサイルを映画のように急旋回などで振り切るのは不可能に近い。*1

参考:ミサイル万能論　最後の有人戦闘機　戦闘機不要論　トップガン　AIM-7

主な短射程空対空ミサイル（世代別） †

第二次世界大戦中 †

• ドイツ
  • Hs 298
  • ルールシュタール X-4

第1世代空対空ミサイル（第二次世界大戦後） †

• アメリカ
  • AIM-9B「サイドワインダー」
  • AIM-4「ファルコン/スーパーファルコン」
  • AIM-26「ファルコン」

• ソ連/ロシア
  • RS-1U/RS-2U/US・R-55（AA-1「アルカリ」）
  • R-3S/R・R-13M（AA-2「アトール」）

• イスラエル
  • シャフリル

• 中国
  • 霹靂1（PL-1）
  • 霹靂2（PL-2）
  • 霹靂3（PL-3）

• 日本
  • 69式空対空誘導弾（AAM-1）
  • AAM-2（採用されず）

第2世代空対空ミサイル †

• アメリカ
  • AIM-9D「サイドワインダー」

• イスラエル
  • シャフリル2

• フランス
  • R550「マジック」

第3世代空対空ミサイル †

• アメリカ
  • AIM-9L「サイドワインダー」

• ロシア
  • R-60（AA-8「エイフィド」）

• イギリス
  • レッドトップ

• イスラエル
  • パイソン3

• 中国
  • 霹靂5（PL-5）
  • 霹靂7（PL-7）
  • 霹靂8（PL-8）

• 台湾
  • 天剣1型（TC-1）

• 南アフリカ
  • V3B「ククリ」

• スウェーデン
  • Rb-24
  • Rb-74

第4世代空対空ミサイル †

• アメリカ
  • AIM-9M「サイドワインダー」

• イスラエル
  • パイソン4

• 日本
  • 90式空対空誘導弾（AAM-3）

• フランス
  • R-550「マジック2」

• ブラジル
  • MAA-3

• 中国
  • 霹靂9（PL-9）

• 南アフリカ
  • V3C「ダータ」

第5世代空対空ミサイル †

• アメリカ
  • AIM-9X「サイドワインダー」

• ロシア
  • R-73（AA-11「アーチャー」）

• イギリス
  • AIM-132「ASRAAM」

• イスラエル
  • パイソン5

• 国際共同（スウェーデン・ドイツ他）
  • IRIS-T

• スウェーデン
  • Rb-98

• 日本
  • 04式空対空誘導弾（AAM-5）

• フランス
  • MICA-IR

• 南アフリカ
  • Uダータ

ヘリコプター用空対空ミサイル †

• アメリカ
  • AIM-92

• フランス
  • ミストラル

• イギリス
  • スターストリーク

• ロシア
  • 9M29「イグラーAD」

• 日本
  • 91式携帯地対空誘導弾

• 中国
  • 天燕90（TY-90）

主な中射程空対空ミサイル †

• アメリカ
  • AIM-7「スパロー」
  • AIM-120「AMRAAM」

• ロシア
  • R-8/R-98（AA-3「アナブ」）
  • R-9（AA-4「アウル」）
  • R-4（AA-5「アッシュ」）
  • R-40（AA-6「アクリッド」）
  • R-23（AA-7「エイペックス」）
  • R-27（AA-10「アラモ」）
  • R-77（AA-12「アッダー」）

• イギリス
  • ファイアストリーク
  • スカイフラッシュ

• フランス
  • R-510
  • R-511
  • R-530
  • シュペル530
  • MICA-EM

• イタリア
  • アスピデ

• 台湾
  • 天剣2型（TC-2）

• 日本
  • 99式空対空誘導弾（AAM-4）

• インド
  • ASTRA

• 国際共同（イギリス他）
  • ミーティア

• 中国
  • 霹靂4（PL-4）
  • 霹靂10（PL-10）
  • 霹靂11（PL-11）
  • 霹靂12（PL-12）

• スウェーデン
  • Rb99
  • Rb71

• イスラエル
  • ダービー

• 南アフリカ
  • V-4

主な長射程空対空ミサイル †

• アメリカ
  • AIM-54「フェニックス」

• ロシア
  • R-33（AA-9「エイモス」）
  • R-37（AA-13「アロー」）
  • KS-172

AIM-7中距離対空ミサイルを発射したF-15E
Photo: USAF

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*1 戦闘機は人間が乗っているため、耐えられるGは精々9Gが限界であるのに対して、ミサイルは50Gでも全く支障がない。どんなに急な動きをしても、ミサイルの方がより急で素早く動ける事になる。