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*&ruby(くうたいかんみさいる){【空対艦ミサイル】}; [#h0c2064c]
[[攻撃機]]・[[爆撃機]]・[[ヘリコプター]]などから発射され、[[水上艦]]を攻撃することを目的とするミサイル。~
[[航空機]]によって任意の場所から発射することが可能であり、かつ発射後は高速で飛翔するため迎撃が困難で、（かつての[[航空魚雷>魚雷]]に代わって）[[水上艦]]にとっての最大の脅威対象となっている。~
Air to Ship Missile（AShM）(([[空対地ミサイル]]（Air to Surface Missile.）との混同を避けるため"h"を表記する。)).~
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1982年の[[フォークランド紛争]]において、アルゼンチン海軍の[[シュペル・エタンダール]]が使用した5発の[[AM-39エグゾゼ>エグゾセ]]空対艦ミサイルが、イギリス海軍の新鋭[[駆逐艦]][[シェフィールド>42型駆逐艦]]を含む数隻を撃沈したほか、英艦隊の動きを大きく牽制することに成功し、空対艦ミサイルの兵器としての有効性と脅威が強く認識されるようになった。~
なお、この戦いではイギリス海軍も[[シーリンクス>リンクス]]から[[シースクアー]]空対艦ミサイルを発射し、アルゼンチン艦艇を撃沈している。~
空中で発射して[[水上艦]]を攻撃するための[[ミサイル]]。~
主に[[攻撃機]]・[[爆撃機]]・[[ヘリコプター]]などに搭載される。~
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現在使用されている対艦ミサイルは、どれも（当たり所によるにせよ）1発命中するだけで現行の艦艇の殆どに致命的なダメージを与え得る。~
そのため、[[CIWS]]や[[RAM>RIM-116]]等の対艦ミサイル迎撃を目指した兵器の開発が進められることになった。~
対するミサイル側も、水面ギリギリの超低高度を飛翔するような飛行制御プログラムを搭載したり、迎撃が追い付かないほどのスピードを出す等、如何に敵に見つからず、迎撃されにくい飛び方をするか((ミサイルではなく、搭載母機（[[戦闘機]]・[[攻撃機]]など）にその機能が持たせられることもある。&br; 例えば日本の[[F-2]][[支援戦闘機]]は、4発の対艦ミサイルを搭載して水面ギリギリを飛行できるように抜群の安定性と洋上迷彩が持たせられた。))を追求しており、イタチゴッコの様を見せている。~
どこから攻撃されるか予測不能であり、高速飛翔するため[[CIWS]]での迎撃も困難。~
[[破壊力>デストラクションパワー]]においても、現行の空対艦ミサイルはいずれも大抵の[[艦艇]]を一撃で大破せしめる((ただし、これは「理論上」での話。船体のどこに命中したかなど、偶然から生き延びる可能性はあるし、[[スーパーキャリアー]]を一撃で仕留めるのはさすがに厳しい。))。~
現代の[[水上艦]]にとって最大の脅威であり、[[対艦ミサイル]]対策は[[海軍]]の最重要技術課題である。~
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世界で使われている主なものは、[[AM-39エグソゼ（仏）>エグゾセ]]・[[AGM-84ハープーン（米）>AGM-84]]・[[AS-17クリプトン（露）>AS-17]]・[[シーイーグル（英）>シーイーグル]]等である。~
**各国の対艦ミサイル [#n74dc96b]
現代の水上戦闘は、おおむね対艦ミサイルと[[艦対空ミサイル]]の技術開発競争の現場である。~
[[RAM>RIM-116]]などの迎撃技術進歩に合わせ、空対艦ミサイルも迎撃回避技術が追求されている。
>例を挙げれば、ミサイルの飛翔速度向上、[[地形追随飛行]]を行う飛行制御プログラムなど。~
また、[[搭載母機>マルチロールファイター]]も同様に迎撃を回避するための技術を追求している((例えば日本の[[F-2>F-2（日本）]][[支援戦闘機]]は、4発の対艦ミサイルを搭載して水面ギリギリを飛行できる安定性と[[洋上迷彩>迷彩]]が持たせられた。))。
関連：[[フォークランド紛争]]~
~
#ref(AM-39.jpg)~
[[AM-39エグゾゼ空対艦ミサイル>エグゾセ]]（内側）と、[[マジック2短射程空対空ミサイル>R-550]]を搭載している[[ミラージュ2000]]。~
Photo :Photo: IAF（Indian Air Force)HP
**各国の空対艦ミサイル [#n74dc96b]
-アメリカ
--[[AGM-84]]
--[[AGM-12「ブルパップ」>AGM-12]]
--[[AGM-84]]（[[ハープーン]]）
--[[AGM-114「ヘルファイア」>AGM-114]](([[対戦車ミサイル]]として用いられるのが一般的だが、小型艦艇への攻撃用として使われることもある。))
--[[AGM-109「MRASM」>BGM-109]]（開発中止）
--LRASM((Long Range Anti-Ship Missile.))（開発中）
~
-イギリス
--[[シースクア]]
--[[シーイーグル]]
--[[シーヴェノム]]
~
-イギリス/フランス
--マーテル
~
-イスラエル
--[[ガブリエルMk.��>ガブリエル]]
~
-イタリア
--マルテ
~
-スウェーデン
--Rb 04
--[[RBS-15F>RBS-15]]
~
-ドイツ
--コルモラン
~
-日本
--[[80式空対艦誘導弾（ASM-1）>80式空対艦誘導弾]]
--[[91式空対艦誘導弾（ASM-1C）>88式地対艦誘導弾]]
--[[93式空対艦誘導弾（ASM-2）>93式空対艦誘導弾]]
--[[XASM-3]]（量産されず、ASM-3（改）が開発中）
~
-ノルウェー
--JSM((Joint Strike Missile.))（開発中）
~
-ノルウェー/アメリカ
--[[ペンギン]]（AGM-119）
~
-フランス
--AS.12(([[対戦車ミサイル]]として用いられるのが一般的だが、小型艦艇への攻撃用として使われることもある。))
--AS.15TT
--[[エグゾセ]]
~
-ロシア
--K-10S（AS-2「キッパー」）
--KS-1「コメート」（AS-1「ケンネル」）
--K-10S「コメート-10」（AS-2「キッパー」）
--Kh-20（AS-3「カンガルー」）
--Kh-22（AS-4「キッチン」）
--KSR-2（AS-5「ケルト」）
--KSR-5（AS-6「キングフィッシュ」）
--Kh-31（AS-17「クリプトン」）
--Kh-35（AS-20「カヤック」）
--Kh-41（SS-N-22「サンバーン」）
--[[Kh-35（AS-20「カヤック」）>SS-N-25]]
--Kh-41（P-270「モスキート」）（SS-N-22「サンバーン」）
--Kh-59「オーヴォト」（AS-13「キングボルト」）
--Kh-61
-イギリス
--シーイーグル（イギリス）
--シースクア（イギリス）
-フランス
--[[エグゾセ]]
-日本
--[[80式空対艦誘導弾（ASM-1）>80式空対艦誘導弾]]
--[[91式空対艦誘導弾（ASM-1C）>88式地対艦誘導弾]]
--[[93式空対艦誘導弾（ASM-2）>93式空対艦誘導弾]]
--[[XASM-3]]（開発中）
-台湾
--雄風2型
--Kh-61（P-800「オーニクス」）（SS-N-26「ストロバイル」）
~
-インド/ロシア
--ブラモス
~
-中国
--[[YJ-8K/-82K/-83K>YJ-8]]
--[[HY-2>SY-1]]
--[[鷹撃8（YJ-8）>YJ-8]]
--[[海鷹2（HY-2）>SY-1]]
--[[鷹撃91（YJ-91）>YJ-91]]~
~
-ノルウェー/アメリカ
--[[ペンギン]]（[[AGM-119]]）
#ref(AM-39.jpg)~
[[AM-39エグゾゼ空対艦ミサイル>エグゾセ]]（内側）と、[[マジック2短射程空対空ミサイル>R-550]]を搭載している[[ミラージュ2000]]。~
Photo :Photo: IAF（Indian Air Force)HP
