【空港】(くうこう)

Airport.
公共輸送機関としての航空輸送のために用いられる飛行場

関連:エプロン 滑走路 誘導路 管制塔 場外離着陸場

日本における空港の種別

日本国内に開設されている空港は、根拠法令である空港法により次の4つに分類されている。

  1. 拠点空港
    国際航空輸送及び国内航空輸送の拠点としての役割を果たす空港。
    かつては「第一種空港」及び「第二種空港」と呼ばれていたものがこれにあたる。

    1. 会社管理空港
      設置・管理主体が、法令(空港法)の規定により設立された会社組織である空港。
      いずれも旧第一種空港
      成田空港関西国際空港中部国際空港の3ヶ所。

    2. 国管理空港
      設置・管理主体が政府(国土交通省)である空港。
      東京国際空港(羽田空港)、大阪国際空港伊丹空港)、新千歳空港函館空港、八尾空港*1大分空港宮崎空港那覇空港など全国21ヶ所。

    3. 特定地方管理空港
      設置・管理主体が地方自治体である空港のうち、かつて第二種空港に分類されていた空港。
      旭川空港、帯広空港、秋田空港、山形空港、山口宇部空港の5ヶ所。

  2. 地方管理空港
    旧「第三種空港」。
    地方自治体が設置・管理主体となり、国際航空輸送網又は国内航空輸送網を形成する上で重要な役割を果たす空港。
    神戸空港能登空港下地島空港など全国54ヶ所。

  3. その他の空港
    空港法で定められた空港のうち、旧第一種〜第三種空港及び共用飛行場に属さないもの。
    主として自家用機やコミューター機などが発着する。
    全国に以下の13ヶ所がある。

    飛行場・空港名所在地その他
    調布飛行場東京都調布市正式名「東京都調布飛行場」。
    1990年代まで場外離着陸場扱いだった。
    大利根飛行場茨城県稲敷郡河内町主にグライダーの離着陸に使用。
    阿見飛行場茨城県稲敷郡阿見町管理・運営は東京航空が行っている。
    龍ヶ崎飛行場茨城県龍ヶ崎市新中央航空の本社事務所が併設。
    三保飛行場静岡県静岡市清水区静岡県及び赤十字飛行隊*2の訓練施設として使用。
    名古屋飛行場愛知県西春日井郡豊山町*3別名「県営名古屋空港」「小牧空港」
    中部国際空港の開港に伴って第二種空港から格下げ。
    但馬飛行場兵庫県豊岡市別名「コウノトリ但馬空港」
    岡南飛行場岡山県岡山市南区旧岡山空港
    岡山県警航空隊及び岡山市消防航空隊の基地も併設。
    広島西飛行場広島県広島市西区旧広島空港
    2012年12月に廃港、ヘリポート化の予定。
    天草飛行場熊本県天草市
    大分県央飛行場大分県豊後大野市当初、農道空港として開設。
    大分県防災航空隊の基地が併設。
    枕崎飛行場鹿児島県枕崎市日本初のコミューター機専用空港として1991年に開設。
    しかし2006年以後、固定翼機の利用はほとんどない。*4
    薩摩硫黄島飛行場鹿児島県鹿児島郡三島村当初は「ヤマハリゾート」社により開設。
    1994年に村へ移管され、日本初の村営飛行場となる。

  4. 共用飛行場
    防衛省自衛隊)やアメリカ国防総省在日米軍)が設置・管理主体となっている飛行場で、民間空港としての機能も備えられているもの。
    全国に以下の7ヶ所(+1)がある。

    飛行場・空港名併設の基地その他
    千歳空港*5航空自衛隊千歳基地他に海上保安庁千歳航空基地も併設
    札幌飛行場陸上自衛隊丘珠駐屯地通称・丘珠空港
    三沢飛行場アメリカ空軍三沢基地
    及び航空自衛隊三沢基地
    百里飛行場航空自衛隊百里基地通称・茨城空港
    小松飛行場航空自衛隊小松基地
    美保飛行場航空自衛隊美保基地愛称・米子鬼太郎空港
    徳島飛行場海上自衛隊徳島航空基地
    及び陸上自衛隊徳島駐屯地北徳島分屯地
    愛称・徳島阿波おどり空港
    岩国飛行場アメリカ海兵隊岩国航空基地
    及び海上自衛隊岩国航空基地
    2013年、軍民共用化の予定*6
    「岩国錦帯橋空港」の愛称が定められている。

この他、空港法に規定のない離着陸施設として「公共・非公共用ヘリポート」「場外離着陸場」がある。


*1 現在、定期航空路線の乗り入れはないが、法令上の経過措置として当面の間、国土交通省が管理することとなっている。
*2 日本飛行連盟の会員からなるボランティア組織。日本赤十字社が行う災害救護や輸血用血液の航空輸送を無償で行う。
*3 敷地は小牧市、春日井市及び名古屋市北区にもまたがっている。
*4 現在は鹿児島県の防災ヘリや外来の自家用機が使用する程度。
  また、航空スポーツ団体による小型機の飛行競技会や、グライダーの運航など、スカイスポーツの拠点としての利用も模索されている。

*5 ただし民間機の発着はすべて新千歳空港から行われている。
*6 1964年までは民間機の乗り入れがあったが、その後、海兵隊専用飛行場となっていた。

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