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*&ruby(くちくかん){【駆逐艦】}; [#ef1650b2]
Destroyer~
&ruby(デストロイヤー){Destroyer};.~
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[[艦艇]]の一種。[[アメリカ海軍]]では"DD"の略号で表記される((日本の[[海上自衛隊]]でもこれに倣い、[[護衛艦]]の艦籍記号にDD（またはDE）を割り当てている。))。~
「水雷艇駆逐艦」を略したものが語源であるが、現代における定義は後述のとおり曖昧である。~
[[艦艇]]の一種。[[アメリカ海軍]]での略号は"DD"。~
元々は「[[水雷艇]]駆逐艦」の略だが、現代では[[水雷艇]]に限らず「海上の脅威全般を駆逐（destroy）すること」を主任務とする。~
具体的に想定される任務はおおむね以下の通り。
-敵の[[艦隊]]に遭遇した際、友軍[[艦隊]]の前方に進出して[[艦載砲]]・[[魚雷]]による攻撃を行う
-味方の主力艦や輸送船団の周囲に位置し、敵の攻撃から護衛対象を守るための囮になる（被害担当艦）
--敵性[[潜水艦]]の接近を警戒し、発見後は[[爆雷]]ないし[[対潜魚雷]]によって[[浸水]]・沈没せしめる
--敵性[[航空機]]・[[対艦ミサイル]]の接近を警戒し、発見後は[[高射砲]]ないし[[艦対空ミサイル]]によって[[撃墜]]する
-撃沈された艦・[[墜落]]した航空機の乗員を救助する
--海上における[[戦闘捜索救難]]を行う
-緊急事態において人員・資材の強行輸送を行う
分類については、基本的に[[巡洋艦]]より小さく、明白に軍事衝突を想定して武装した[[戦闘艦]]を指す。~
20世紀初頭においては[[排水量]]300トン程度のものが一般的だったが、現代では概ね5,000トン程度が基準とされる。~
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一般には[[巡洋艦]]より小さく((概ね[[排水量]]5,000トン程度。ちなみに、これを[[第二次世界大戦]]直前の1930年代を基準とすれば、概ね[[軽巡洋艦]]クラスとなる。))、明白に軍事衝突を想定して武装した[[戦闘艦]]を指す。~
ただし、中には[[満載排水量]]10,000トン前後（あるいはそれ以上）と、往時の[[戦艦]]や[[巡洋艦]]に匹敵する排水量を持つ巨大な艦もあれば((日本の「[[こんごう]]」級・「[[あたご]]」級・「[[ひゅうが]]級」など。&br; また、[[アメリカ海軍]]のイージス[[巡洋艦]]「[[タイコンデロガ]]」も、設計当初は「ミサイル駆逐艦」に分類されていた。))、[[ヘリコプター空母]]を「ヘリコプターの母艦機能を持つ駆逐艦」として扱う、という極端なケースもある((こちらも日本の「[[ひゅうが]]級」及び「[[19500トン型護衛艦]]」が例として挙げられる。))((これに類似のケースとして、ソ連（ロシア）海軍が[[航空母艦]]を「[[航空巡洋艦]]」として扱っている、という例がある。))。~
とはいえ、往年の装甲艦・[[戦艦]]や[[巡洋艦]]に匹敵する10,000トン以上の艦もあり、明確な基準はない。~
重量の下限についても、[[フリゲート]]並みかそれ以下という例が多々あり、こちらも明確な国際基準はない。~
また、装備にも基準はないため、[[ヘリコプター空母]]や[[V/STOL空母]]が「[[航空機]]の母艦機能を持つ駆逐艦」として扱われる、などという極端なケースもある。~
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関連：[[護衛駆逐艦]]~
運用上、現代ではほとんどの国家にとって最大級の[[戦闘艦艇>艦艇]]であり、かつての[[戦艦]]の代替となっている。~
巨大な[[海軍]]においても[[航空母艦]]や[[巡洋艦]]の運用には[[戦略]]上の制約が大きく、小規模な海戦には駆逐艦が投入される事が多い。~
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関連：[[護衛駆逐艦]] [[護衛艦（日本）>護衛艦]] [[水雷艇]]
**ルーツとその発展 [#f582120c]
元々「駆逐艦」とは、その名の通り「水雷艇を駆逐（撃破）する[[艦艇]]」として開発された艦である。~
水雷艇は、小型の船体と高い[[機動力]]を活かし、艦船の死角から[[魚雷]]を撃ち込んで打撃を与えることを任務とした[[艦艇]]であり、鈍重な[[巡洋艦]]・[[戦艦]]にとっては重大な脅威であった。~
元々「駆逐艦」は、その名の通り「[[水雷艇]]を駆逐（撃破）する[[艦艇]]」として開発された艦である。~
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[[水雷艇]]は、艦船の死角から[[雷撃]]を行うための[[艦艇]]であり、小型の船体と高い[[機動力]]を備えていた。~
[[大艦巨砲主義]]に傾いていた当時の[[海軍]][[ドクトリン]]では想定外の脅威であり、既存の[[巡洋艦]]・[[戦艦]]では対処が困難であった。~
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これに対する対抗戦術として設計・開発された、「一定の[[機動力]]と、水雷艇を容易に駆逐する武装」を備えた艦艇が駆逐艦であった。~
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その後間もなく、外洋航行能力に欠ける水雷艇は海戦兵器の座から退いてしまい、水雷艇が果たしていた役割は駆逐艦に引き継がれた。~
これに伴い、[[爆雷]]や[[高射砲]]を搭載するなどして、その任務は様々に多様化していった。~
最盛期の駆逐艦に割り振られていた任務は主として以下のようなものである。~
その後間もなく、[[水雷艇]]が海戦での優位を喪うと共に、「[[水雷艇]]のいなくなった戦場で[[駆逐艦]]が[[雷撃]]を行う」という戦術も確立。~
その他[[爆雷]]や[[高射砲]]など当時の新兵器も[[駆逐艦]]に搭載される事が多く、その任務は様々に多様化していった。~
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現代では多数の[[ミサイル]]や魚雷、爆雷等と武装や[[レーダー]]を装備して多種多様な脅威への対応能力を獲得。~
果ては[[ヘリコプター]]の運用から[[巡航ミサイル]]による対地攻撃をこなすまでになった。
-艦隊・輸送船団を護衛する
--[[艦隊決戦]]において、敵味方双方の主力艦隊の間に位置して敵の[[艦載砲]]や[[魚雷]]を優先的に浴び、主力艦への被害を軽減・回避させる（被害担当艦）
---[[艦隊決戦]]において（攻勢に出る際）友軍艦隊の前方に進出し、速力と魚雷兵装を活かして敵主力艦隊に打撃を与える
--敵性[[潜水艦]]の接近を警戒し、発見後は[[爆雷]]によって[[浸水]]・沈没せしめる
--敵性[[航空機]]の接近を警戒し、発見後は[[高射砲]]によって[[撃墜]]する
-緊急事態において人員・資材の強行輸送を行う
