【九七式司令部偵察機】(きゅうななしきしれいぶていさつき)

1930年代に日本陸軍航空隊が採用した単発の高速偵察機

本機は「戦闘機よりも高い速度性能を生かして単機敵地上空へ侵入、偵察情報を収集する」というコンセプトのもと設計・開発され、1937年(昭和12年)に制式採用。
まもなく起きた日華事変では、当初のコンセプト通り敵地領内奥深くへ侵入する偵察任務に従事し、数多くの偵察情報を持ち帰った。
本機は基本性能が優れていたことから、後継の「一〇〇式司令部偵察機」がデビューした後も並行して実戦で使われ、太平洋戦争中盤の1943年頃まで第一線にありつづけた。


本機は合計437機が生産され、陸軍に引き渡されたが、これ以外にも海軍に「九八式陸上偵察機」として採用(50機生産)されている。
また、本機の試作2号機は朝日新聞社に払い下げられて「神風号」と名付けられ、1937年3月に東京〜ロンドン間の往復連絡飛行を敢行、無事日本へ帰還したのは有名なエピソードである。

(この後、同機の成功に触発された毎日新聞社は海軍の九六式陸上攻撃機をベースとした双発機「ニッポン号」による世界一周親善飛行を敢行、こちらも無事目的を達成している)


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