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*&ruby(かねのかべ){【金の壁】}; [#hb52e238]
[[航空機]]の高速化・ハイテク化に伴う価格の上昇により、開発や生産に莫大な資金が必要となったため、最先端の技術を投入することにより、「技術的」には可能であっても「コスト的」に不可能であることを言う。~
技術的には実現可能だが、実際に行うと開発費・生産費・維持費を捻出できずに破綻するプロジェクトを指す比喩表現。~
元は[[超音速]][[航空機]]の開発計画に関する揶揄で、[[音の壁]]と[[熱の壁]]を突破した先に待つ「最後の壁」とされている。~
>この他「配備するのが遅すぎて成果が無意味になる『時間の壁』」「法制上の欠陥や政治的都合によってプロジェクトが暗礁に乗り上げる『バカの壁』」などもあるにはあるが、これらは常に問題になるわけではない。

技術史は常に金の壁との戦いであったが、ことさら20世紀後半以降は[[兵器]]開発・配備のコストが高騰の一途を辿っている。~
基礎工学技術や進捗管理手法の進歩によって事業は効率化したが、新製品・新事業はそれ以上に複雑化しており、予算超過に陥る危険性は今なお減じていない。~

> 市場経済の構造上、効率化によって生じた余裕は「より高度な製品」「より先進的な事業計画」によって食い潰される事を避けられない。~
同業他社や[[仮想敵国]]との開発競争が続く限り、余裕は全て投資し、経営体力を経営可能な限界まで酷使し続けるしかない。

科学技術上の問題ではないため、一般的な科学者・技術者の立場では検知できない。~
このため、量産・実用段階に入った後、経済面で問題が起きてから初めて存在に気付く事も少なくない。~
そしてほとんどの場合、発覚後に行える現実的な対策はプロジェクトの縮小・凍結のみである。~
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[[軍用機]]の開発では、まず[[音の壁]]、次に[[熱の壁]]、最後に金の壁を突破することが必要である。~
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[[熱の壁]]などは、技術的には[[チタニウム]]などの複合合金を多用することにより解決可能であるが、コストが膨大になってしまうため、まさに金の壁である。~
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このように技術を最優先した機体([[F-22]]・[[B-2]]など)は、たとえ量産化にこぎつけても、金の壁に阻まれて生産数を極端に減らされる羽目に陥ることが多々ある。
関連:[[音の壁]] [[熱の壁]] [[コスト・パフォーマンス]] [[コンコルド]] [[コンコルド症候群]] [[商用オフザシェルフ]]

関連:[[音の壁]] [[熱の壁]]


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