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*&ruby(きんせつしんかん){【近接信管】}; [#p937f783]
Proximity fuze / Variable-Time fuze(俗)~
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目標や障害物との距離を検知し、最接近時に起爆するよう設定された[[信管]]。~
[[高射砲]]、[[空対空ミサイル]]、[[榴弾砲]]など、命中精度が不十分で直撃弾を見込めない場合に用いられる。~
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物体の存在だけがわかる簡易的な[[レーダー]]を搭載し、電波を放射して測距を行う。~
近年ではより高精度で検知されにくい[[レーザー]]を用いて測距するものが主流となっている。~
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概念研究そのものは1930年代にはすでに始まっていたが、当時はまだ実用化困難とされ注目されていなかった。~
しかし[[第二次世界大戦]]において、兵器としての能力が明らかに不十分であった[[高射砲]]((当時の高射砲は、砲弾の起爆に[[時限信管]]を用いていたが、目標までの距離を正確に設定することは事実上不可能だった。))を補強する目的で大々的に研究が行われた。~
しかし[[第二次世界大戦]]において、兵器としての能力が明らかに不十分であった[[高射砲]]((当時の高射砲は、砲弾の起爆に[[時限信管]]を用いていたが、作動するまでの時間を正確に設定することは事実上不可能だった。))を補強する目的で大々的に研究が行われた。~
いち早く開発に成功したのは[[アメリカ海軍]]で、1943年1月に最初の[[撃墜]]戦果が確認されている。~
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とはいえ、同時代にはすでに[[防勢対航空作戦]]の警戒網が整っており、[[高射砲]]が(本来の用途で)稼働した実例が少ない(([[高射砲]]の項にもあるように、地上・水上の目標を狙うのにも多く用いられていた。))。~
近接信管の兵器としての本領は[[第二次世界大戦]]終結後、[[ミサイル]]・[[誘導爆弾]]の出現以降である。~
近接信管が兵器としての本領を発揮したのは[[第二次世界大戦]]終結後、[[ミサイル]]・[[誘導爆弾]]の出現以降である。~
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関連:[[マリアナの七面鳥撃ち]]

**測距の原理 [#zfd911f2]
近接信管の測距は、[[電磁波]]のドップラー現象を基にした原理を用いている。~
距離が次第に近づいている状態だと、跳ね返ってきた電波は元より波長が短い高周波である。~
一方、距離が次第に遠ざかっている状態では、跳ね返ってきた電波は元より波長が長い低周波である。~
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したがって、測定電波が高周波から低周波に切り替わった瞬間に起爆すれば良い、という事になる。~
または数学的推定により、一定距離まで近づいた事が確認された時点で起爆するよう設定される事もある。


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