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*&ruby(ぎょらい){【魚雷】}; [#pc8029b3]
水中を進み、[[艦艇]]などに接近・接触することで爆発して被害を与える兵器。~
「魚形水雷」の略語である。~
Torpedo.~
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かつては[[水上艦]]を攻撃する重要な手段であり、[[駆逐艦]]・[[潜水艦]]などの[[艦艇]]、あるいは[[攻撃機]]に使用されていた。~
現在では誘導魚雷が開発されたが、[[対艦ミサイル]]の発達のため対艦用として使用されることは少ない。~
しかし[[対潜魚雷]]は現在でも対潜兵器の主流となっている。~
「魚形[[水雷]]」の略。~
[[内燃機関]]と[[スクリュー>プロペラ]]を備え、水中を潜航して標的に向かっていく[[爆雷]]。~
黎明期はただ目測で狙いを定めて直進させるだけのものだったが、今日では[[ミサイル]]と同じように[[終端誘導]]される。~
[[巡航ミサイル]]の弾頭として搭載され、飛行後に海中に落下して敵船の追尾を始めるものもある。~
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魚雷は舷側または船底といった機関室等の重要な施設のある喫水線下を遠距離から攻撃して、確実に[[浸水]]を見込める唯一の兵器である。~
そのため、自沈処理用としても良く用いられる。~
また、現在のところ、対抗手段は[[デコイ]]等の[[ソフトキル]]に頼っている為、[[イージス艦]]等の[[対艦ミサイル]]の有効でない相手にも有効である。~
特に近年では、対艦ミサイルでは自艦の位置が暴露して反撃を受けやすくなることや、複数目標への同時着弾が難しいことなどから、潜水艦の対艦攻撃手段として再び注目されつつある。~
開発当時から現在に至るまで、[[艦艇]]の[[バイタルパート]]への直撃を見込める唯一の兵器である。~
水中爆発で水面下の船体にダメージを与え、[[浸水]]を誘発して確実に沈没せしめるという所に利点がある。

>砲弾や[[ミサイル]]は基本的に[[トップアタック]]([[喫水線>喫水]]より上への着弾)であるため、機関室などは水面下の深い部分に配置される。~
上部構造が壊滅しても船体と[[エンジン]]が健在なまま残ったために[[撤退]]・[[後送]]に成功した例は少なくない。

また、[[レーダー]]が機能しない水中を航行するため、原理的に誤差の多い[[ソナー]]でしか検知できない[[ステルス]]性を持つ。~
黎明期では白く泡立つ航跡を残して肉眼で視認できるものが多くあったが、現代の魚雷はほとんど航跡を残さない。~
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おおむね対艦用の大型のものを[[長魚雷]](有名なものでMk.48)、対潜用の小型のものを[[短魚雷>対潜魚雷]](有名なものでMk.46やMk.50)という。~
[[ミサイル]]と同様、搭載弾数が少ないうちは軽量省スペースで多大な破壊力を発揮でき、小型[[艦艇]]や[[艦上機]]に向く。~
反面、同時代の[[艦載砲]]・[[艦対艦ミサイル]]より[[有効射程]]が短く、また速度が遅く着弾まで時間がかかるので回避されやすい。~
[[ミサイル]]同様に製造単価が高いため[[戦略]]レベルでの[[兵站]]負荷は大きく、また製造と管理に高度な科学技術を要する。~
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関連:[[航空魚雷]] [[酸素魚雷]]  [[CAPTOR]]~
[[第二次世界大戦]]の頃までは、巨大な砲を搭載できない[[駆逐艦]]が[[戦艦]]や[[航空母艦]]と戦う手段としても活用していた。~
必然、魚雷より高速・長射程の[[対艦ミサイル]]が発達すると衰退していった。

>しかし[[有効射程]]さえ度外視すれば、現代でも最も軽量確実な対艦兵器である。~
その性質のため、[[鹵獲]]を防ぐために損傷した味方艦を沈める「雷撃処分」にも用いられる。

[[ミサイル]]が進歩した現代では、ほぼ全ての魚雷が[[潜水艦]]に関する場面で使用されている。~
魚雷は[[潜水艦]]が海戦で使用できるほぼ唯一の兵器であり、[[潜水艦]]の直接戦闘火力の全てである。~
同様に、海中に潜伏する[[潜水艦]]を仕留められる兵器もまた魚雷のみである。

>[[爆雷]]や[[機雷]]によって偶発的に[[潜水艦]]を撃破した例もあるが、そのような戦果は緊急の海戦では期待できない。

隠密性の高い[[潜水艦]]が水中から[[雷撃]]を仕掛けてきた場合、専門の[[対潜機]]・[[対潜哨戒機]]なくしては防御も迎撃もほぼ不可能である。~
逆に言えば、対抗戦術がほぼ完全に確立されており、[[対潜機]]・[[対潜哨戒機]]が来援するような長時間・大規模の正面戦闘には向かない。~
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関連:[[対潜魚雷]] [[航空魚雷]] [[酸素魚雷]] [[CAPTOR]] [[水雷艇]]

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