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*&ruby(ききゅう){【気球】}; [#y6e02f3e]
[[軽航空機]]の一種で、[[推力]]を持たず、気嚢にゴンドラを吊り下げただけの単純な形態のもの。~
乱暴な言い方をすれば「[[ペイロード]]のぶら下がった風船」であり、もっとも単純な[[航空機]]といえる。~
人類が[[重力]]に逆らって継続的に上昇させる事に成功した最初の乗り物である。~
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航行能力が絶無であるため、基本的には無人の観測機器としてのみ用いられる。~
人を乗せるのは遊覧飛行のみで、それも目的地への移動が安定しないためスポーツとして行われる。~
~
[[飛行機]]が登場するまでは[[偵察]]用の[[観測機]]として用いられた。~
また、フランスではパリからの郵便物の輸送に用いられたこともあったが、飛行が風任せのため信頼性に欠け、本格的に用いられることはなかった。~
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関連:[[飛行船]] [[阻塞気球]] [[風船爆弾]]

気嚢に水素やヘリウム等を詰めたガス気球と、気嚢の下に開いた穴からバーナーで中の空気をあぶり熱膨張で浮力を得る熱気球とに大別される。~
**分類 [#g86a7591]
:熱気球|気嚢の下部に穴を開けておき、下からバーナーで加熱して空気の熱膨張で浮力を得る気球。~
上昇時には点火して気嚢内を暖め、下降時には火を止めて空気を冷やす。~
常に[[燃料]]を消費し続けるため航続時間が短い。
:ガス気球|気嚢に水素・ヘリウムなど空気より比重の軽いガスを充填して浮力を得る気球。~
離陸時に気嚢へガスを充填し、下降時にガスを排出する。性質上、下降後の再上昇が困難。
:ロジェ気球|熱気球とガス気球を双方組み合わせたもの。微調整が利くため長距離移動に向く。~
:自由気球|定点に設置せず、気流に任せて風上から風下に向かって浮遊する気球。~
充填が困難なためガス気球に不向き。
:係留気球|索で地上に係留して定点に留まる気球。~
索の長さを調整する事で、ガス気球でも上昇・下降を繰り返し行える。

高度の操縦はある程度可能であるが、基本的に前後左右の操縦手段を持たず、文字通り風任せの乗り物である。~
したがって気流の風上から離陸して風下に向かうか、地上との間に索を取り付けて風に流されないようにするかのいずれかで用いられる。前者を自由気球、後者を係留気球と呼ぶ。~
自由度の低い乗り物(([[ペイロード]]が少ないため、実用では無人の場合が多い。))のため用途はスポーツや大気観測((ラジオゾンデ等、小型・無人の使い捨て式が主流))等に限られるが、航空史の初期においては[[観測機]]として使われた他、[[風船爆弾]]や[[阻塞気球]]といった変わった使い方も存在する。~

飛行中、高度の操縦は下記のような方法で行われる。~
-気嚢からガスを抜くか、熱気球の場合は中の空気が冷えるのを待つことにより下降する。
-あらかじめゴンドラに積んでおいたバラスト(錘)を捨てることにより上昇する。
-ガス気球の場合はガスタンクから気嚢へガスを補充することで上昇する。
-熱気球の場合はバーナーで空気を再度あぶることで上昇する。
-係留気球の場合は策をウインチ等で巻いたり緩めたりする。

ガス気球の場合は基本「物を捨てる」以外に操縦手段がなく、特に水素は爆発事故が忌避されるようになってからは高価なヘリウムを使わざるを得ず、係留気球や小型の使い捨て用途以外ではほとんど見られなくなった。~
スポーツ用途では熱気球が圧倒的に多い。高度によって風向きが異なるのを利用してある程度方位を制御するテクニックも採られる。~
長距離の移動を実現するためにガス気球と熱気球を複合させたロジェ気球も存在する。~

関連:[[飛行船]]~


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