【気温】(きおん)

大気の温度。
単に気温という場合、WMO*1の定義による地表面上1.25〜2.0mの高さでの気温を指す。

温度を表すには主に3つの単位が使用される。
国際単位は摂氏ないしは絶対温度であるが、アメリカやイギリスなどでは華氏単位で表記されることが多い*2

°C(セルシウス、摂氏)
水の融点を0、沸点が100とする単位系。
°F(ファーレンハイト、華氏)
水の融点を32、沸点を212とする単位系。
K(ケルビン、絶対温度)
物体の熱運動が停止する絶対零度を0、水の融点を273.15とする単位系。摂氏から273.15を差し引いた値。

地域、高度、季節、時間などで変動するが、一般に赤道から遠く、高度が高く、太陽光に乏しいほど低下する傾向にある。
高度10000mの対流圏までは、高度が100m上がるごとに気温が0.6°C低下すると言われる。
成層圏に到達すると、高度に関係なく-56°C程度に保たれる。

軍事的側面から見ると、気温の変化は士気や戦力に大きく影響する。
寒冷地では免疫が弱体化して病気が蔓延しやすく、凍傷等の危険を伴う*3。防寒具・暖房による兵站への負担も大きい。
一方、熱帯地方では食料が腐りやすく、水分を多く消費するし、行軍・戦闘中に熱中症などで倒れる兵士も多い。

こうした環境への耐性は、幼少期の生育環境によって形成されるため、大人になってから身につけるのは困難である。
そのため、極端な高低温は兵士の体力を大きく消耗するのである。


*1 World Meteorological Organization、世界気象機関。
*2 そのため、華氏で表記されている数値を摂氏と同一とみて読むと混乱の元となる。
*3 塹壕足の項目も参照。

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