【機雷】(きらい)

「機械水雷」の略語で、水中に設置され、付近を通過する船舶の喫水線下で炸裂して船体を破壊する爆弾
陸上における地雷に近しい兵器で、英語ではどちらも"Mine"と呼ばれる。*1

船舶の通過を感知する方法には

  • 弾体と直結したセンサーに直接船体を接触させる(触発機雷)
  • スクリュー音を傍受する(音響機雷)
  • 鉄製の船体が帯びる磁気や電流を感知する(磁気機雷、UEP機雷)*2
  • 水圧の変化を感知する(水圧機雷)

などの方法があり、これらによって起爆装置が作動して爆薬が炸裂、衝撃波(圧力波)とその水圧変化によって船体を破損させ、浸水を誘発して船舶の行動の自由を奪う。*3

用法としては、主に自国の防御上の拠点となる港湾や海峡・海岸付近に大量に散布して敵艦船の侵入を阻止したり*4、あるいは敵国へ向かう商船の通行を阻止・妨害するため、シーレーンを構成する港湾や海峡に散布する(通商破壊戦)などがある。
これに対し、艦船の通行を確保するために機雷を除去することを「掃海」と呼び、各国の海軍にはそのための部隊・艦船(掃海艦・掃海艇)が配備されているのが常である。


*1 日本の陸上自衛隊では「地雷の一種」として「水際地雷」と呼んでいる。
*2 掃海艦艇の船体が木材やプラスチックなどの非金属性素材で作られる理由は、こうしたタイプの機雷に反応することを避けるためである。
*3 変種として、センサーが船舶の通過を感知した回数をカウントして、設定された数を越えると動作する「回数機雷」や、弾体内部に収納した小型魚雷を発射して攻撃するCAPTORがある。
*4 基本的に敵味方の区別がつかないことから、味方船舶の通行を確保するためには敷設しない部分を作るか、(あらかじめ記憶された音紋を感知するなど)何らかの方法で味方船舶を識別する機能を実装しなければならない

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