【寄生戦闘機】(きせいせんとうき)

Parasite fighter.
かつて構想されていた戦闘機の一バリエーション。
大型の航空機爆撃機輸送機・飛行船など)に搭載され、(航空母艦艦載機のように)敵地上空で分離して母機の護衛に当たることを目指した機体。

1950年代に空中給油が実用化されるまでは「爆撃機編隊に有効な護衛戦力を提供する手段」として何度か考案され、実戦投入された機体も少数あったが、以下のような問題点があったことから、空中給油の実用化に伴って廃れていった。

  • 鈍重な母機に重量のある子機を搭載すると、機動力が大きく低下する*1
    そのため、航空優勢のない空域では敵の格好の的になる恐れが強かった。
  • 子機の重量や大きさに制限が厳しく、戦闘機として必要な機動性や武器の搭載量にも影響する。
  • 子機を操縦するパイロットには、通常の機体よりも高い操縦技量が必要であった。
    実験では腕利きのテストパイロットが操縦するので、母機からの分離や再接続が成功する例もあったが、実戦部隊では個々のパイロットの技量に差があるため確実性に乏しかった。

*1 その例として(戦闘機ではないが)桜花を搭載した一式陸攻ミステルなどがあげられる。

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