【基準排水量】(きじゅんはいすいりょう)

船舶の重量を表す数値・排水量の計測方法のひとつ。
時代により「基準」は異なるが、一般には満載状態から、燃料と予備缶水(水)の重量を差し引いた状態を示す。

1920〜1930年代に結ばれた「ワシントン海軍軍縮条約」「ロンドン海軍軍縮条約」において、船舶の大きさを決める各国共通の基準として設定されたため、この名前がついている。

この「基準」が制定されたのは、同条約参加各国が保有できる艦艇の数を決めるのに、それぞれの仮想敵国から想定される作戦海域の違いを平準化し*1、純粋に戦闘能力だけで比較するためであった。

現実の船舶においては不自然な状態であるため、現代では用いられず、艦船の排水量は満載排水量による表記が一般的となっているが、海上自衛隊の自衛艦は現在でも基準排水量での表記をおこなっている。

ただし、現在海自が公表している「基準排水量」の数値は、1970年代に定められた内規「水上艦船搭載物件配分基準」により算出したものであり、ワシントン軍縮条約時代のものとは異なっているという。


*1 燃料・水を含めると、長大な航続力を要する国が不利になってしまう。

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