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*&ruby(きじゅんはいすいりょう){【基準排水量】}; [#d097cc0d]
船舶の重量を計る[[排水量]]のひとつ。~
満載状態から、[[燃料]]と予備缶水(水)の重量を差し引いた状態を示す[[排水量]]。~
船舶の重量を表す数値・[[排水量]]の計測方法のひとつ。~
時代により「基準」は異なる((たとえば、[[海上自衛隊]]では何らかの基準に基づくであろう基準排水量での表記を行っている。&br;  一説には算定するための「内規」があるというが、部外秘につき詳細は不明。))が、一般には[[満載排水量]]から[[燃料]]と予備缶水(水)の重量を差し引いた値である。~
[[艦艇]]・[[艦隊]]の戦闘能力の指標として用いられるため、直接戦力に寄与しない要素は差し引かれる。~
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現実の船舶において、この状態になることはまずあり得ないとされているが、1920〜1930年代に結ばれた「[[ワシントン海軍軍縮条約]]」「[[ロンドン海軍軍縮条約]]」において、船舶の大きさを決める各国共通の基準として設定されたことからこの名がついている。~
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現代の艦船では[[満載排水量]]による表記が一般的だが、[[海上自衛隊]]の自衛艦は現在でも基準排水量での表記をおこなっている。~
(ただし、現在海自が公表している「基準排水量」の数値は、1970年代に定められた内規「水上艦船搭載物件配分基準」により算出したものであり、ワシントン軍縮条約時代のものとは異なっているという)
「[[燃料]]と予備缶水(水)の重量を差し引いた値」という基準の初出は、1922年の「[[ワシントン海軍軍縮条約]]」。~
同条約の締結に際し、条約を履行する前提として、各国の[[海軍]]戦力([[艦艇]]・[[艦隊]]の戦闘能力)を測る公平な基準が必要となり「基準排水量が同等なら、その[[艦隊]]の戦力も同等である」という前提で条約が結ばれた((一説には、[[仮想敵国]]から想定される作戦海域が広大な英米が不利にならないように定められた、とも言われている。))。

>もちろん、この前提は間違っていたのだが、条約当事国はこれを黙殺した。~
技術的工夫によって自国だけ相対的に強い[[海軍]]を保持できる見込みがあったからだ。

このように、政治的な都合から制定された数値であるため、実際の運用では参照する価値のない数値である。~
このため、現代ではより実用的な観点から[[満載排水量]]を用いて表記するのが一般的である。~


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