【艦対空ミサイル】(かんたいくうみさいる)

Ship to Air Missile (SAM)

艦艇攻撃機対艦ミサイルなどの航空脅威を撃墜するために運用するミサイル
「攻撃」と「航空脅威」がほぼ同義語である現代海戦において、艦艇の生存性を支える必須要素である。

同じく航空脅威に対処する高射砲に比べて圧倒的な有効射程を誇るが、それ以外の点ではおおむね非効率・不経済。
このため、沿岸警備や臨検など、近接戦闘を想定する艦艇ではほとんど搭載されない。

主に有効射程と、それに応じて増大する重量から、艦隊防空・個艦防空・近接防空の三段階に分類される。

「艦隊防空ミサイル」は最大級の長射程を持ち、ほとんどの艦艇には搭載できない重量級のシステムである。
このため、艦隊の中に専門の艦艇(防空艦)を配置してこれに搭載し、自己のみならず艦隊全体を守るために使用される。

「個艦防空ミサイル」は駆逐艦巡洋艦などに配備され、単艦行動時や初期迎撃に失敗した敵飛翔体への対応に使用される。

「近接防空ミサイル」は射程が短いものの小型軽量で、巡視艇など小型で戦力に劣る補助艦艇にも導入が可能である。
もっとも「短射程」といっても有効射程はほとんどの高射砲を上回るものであり、また整備運用コストも高射砲より非効率である。

関連:CIWS 戦闘艦 航空母艦 空対空ミサイル 地対空ミサイル

各国の主な艦対空ミサイル

艦隊防空ミサイル

個艦防空ミサイル

近接防空ミサイル


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