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*&ruby(かんたいかんみさいる){【艦対艦ミサイル】}; [#l3ba334b]
[[巡洋艦]]や[[駆逐艦]]、[[潜水艦]]などから発射され、[[水上艦]]を攻撃することを目的とする[[ミサイル]]。~
発射された後は飛翔して目標へ突入し、多くは爆発することで被害を与える。~
[[艦載砲]]や[[魚雷]]に比べて格段に射程と威力に優れるためそれらにとって代わり、現在では水上艦に対する攻撃手段の主力になっている。~
[[海軍]]同士での戦闘に用いる事を想定した、艦が艦に対して攻撃するための[[ミサイル]]。~
現状、[[艦艇]]が用いる中で最も[[有効射程]]の長い武装であり、[[艦隊戦>艦隊決戦]]の主力兵器となっている。~
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東側では1960年代から本格的に艦対艦ミサイルの配備が進められており、1967年にイスラエルの駆逐艦「[[エイラート]]」がエジプトのミサイル艇から発射された[[SS-N-2]]によって撃沈されたことで、西側に大きな影響を与えた。~
他方、西側では[[艦対空ミサイル]]に一応の対艦攻撃能力があったことと、陣営の盟主であるアメリカが([[フォレスタル]]級・[[キティホーク]]級・[[エンタープライズ]]・[[ニミッツ>ニミッツ(航空母艦)]]級といった[[スーパーキャリアー]]を多数擁する)[[空母>航空母艦]][[機動部隊]]による強大な水上打撃力を備えていたこと((東側諸国が艦対艦ミサイルの開発を早期に進めていたのも、こうした強大な水上打撃力への対抗手段であろうと思われる。))から開発・配備が進まず、本格的に艦対艦ミサイルの配備がされたのは1980年代以降だった。
当初は1960年代から、ソビエトを中心とする[[ワルシャワ条約機構]]の主導で研究が進められてきた兵器である。~
その目的は、[[航空母艦]]においてアメリカに劣るソビエトが、その戦力差の前提を覆す事であった。~
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[[空母]]の利点は、[[艦載砲]]に対する[[アウトレンジ]]という一点に尽きる。~
よって、[[艦載機]]の[[戦闘行動半径]]を上回る長射程[[ミサイル]]が実現すれば[[航空主兵主義]]は崩壊する、という目論見であった((とはいえ、結局は[[艦載機]]に[[空対艦ミサイル]]が搭載される事になったため、この目論見はあまり成功しなかった。))。~
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この[[ドクトリン]]に基づき、1967年には[[中東戦争]]にアラブ諸国に艦対艦ミサイル[[SS-N-2]]が提供され、実戦投入。~
この「実験」はイスラエルの[[駆逐艦]]「エイラート」を撃沈するという戦果を挙げ、その[[有効性を実証>バトルプルーフ]]している。~
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他方、アメリカでは[[空母打撃群>機動部隊]]に対する過信からか、技術開発に微妙な立ち後れがみられる。~
アメリカは現代に至るまで[[空対艦ミサイル]]に偏重し、その流用として艦対艦ミサイルを配備運用しているのが実態である。


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