【管区隊】(かんくたい)

1950年、日本で警察予備隊が創設された際に採用された(戦略級)部隊編制。
後の保安隊→陸上自衛隊にも継承されたが、1962年に混成団と共に師団に改編されて消滅した。
一般則に照らし合わせると歩兵師団に相当する。管区総監には、警察監(保安監)(乙)または
警察監補(保安監補)*1が充てられた。

当初の定員は15,200名で、編制は次の通りであった。

  • 管区総監部/総監部付中隊
  • 普通科連隊3個
    • 連隊本部/本部管理中隊
    • 普通科大隊3個
      • 大隊本部/本部管理中隊
      • 小銃中隊3個
      • 重火器中隊
    • 重迫撃砲中隊
      • 中隊本部
      • 射撃小隊3個(各107mm迫撃砲×4門)
    • 特車中隊(戦車部隊
    • 支援中隊
    • 衛生中隊
  • 特科連隊
    • 連隊本部/本部管理中隊
    • 直接支援大隊3個(各軽砲18門)
    • 全般支援大隊(中砲18門)
    • 高射自動火器大隊(37mm自走高射機関砲、12.7mm自走高射機関銃各32輌)
  • 施設大隊
  • 偵察中隊(特車7輌等を装備)
  • 通信中隊
  • 武器中隊
  • 衛生大隊
  • 補給中隊
  • 輸送中隊
  • その他

その後、定員が12,700名に縮小され、戦車は「特車大隊」に集約されて管区総監の直轄となり、偵察、通信、武器、補給、輸送の各中隊が隊に改編されるに至る。
当時の隊員からは扱いやすいと好評であり、また、今日の陸自における師団と比べれば倍以上の警備範囲を担当していたが、それでも十分に対応できる編制内容であったという声もある*2


*1 自衛隊では陸将(乙)がその職にあった。
*2 そもそも現在の陸自の「師団」は、兵員数だけで見れば列国の「混成旅団」程度の規模の部隊となっている。

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