【核の冬】(かくのふゆ)

地球規模の核戦争が引き起こされた場合に起きると想定される、大規模な環境破壊。

核兵器の炸裂によって大量の粉塵と水蒸気が発生し、上空に停滞して陽光を遮る。
これによって地上の気温が低下し、規模によっては人為的な氷河期さえ発生し得る*1

また、水蒸気はやがて冷えて雨雲となり、漂う粉塵と混ざって地上に降り注ぐ。
それらは核爆発によって生じたものであるから、必然、その雨は致死的な放射能を持つ放射性物質である。
即ち、土壌や水が放射性物質によって汚染され、植生・生態系に壊滅的な打撃を与える事となる。

このように、急激な気候変化と放射能汚染により、人類を含む数多の生物が絶滅の危機に瀕すると推定される。
そのことから、相互確証破壊理論・核軍拡政策に対する有力な批判・反論材料とみなされている*2


*1 そうした現象が起き得る、とされることから「核の冬」という名がついているが、「寒冷化は一時的なもので、最終的には(核兵器の炸裂によって起きた熱によって)平均気温が上昇して灼熱の砂漠になる」という説もある。
*2 終末思想的な宗教観やディストピア文学などと合わさることで、「おぞましい」イメージが大衆により印象深く植え付けられる。

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