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*&ruby(かいきゅう){【階級】}; [#b36202e0]
grade / class.~
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命令系統や職責などの関係から人間を等級付けし、差別する事。~
誰が誰に対して何の目的で命令して良いのかという「職権」を定めるために用いられる。~
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単なる職能上の区別とは異なり、階級制度に対する違反や侵犯には強権的な制裁をもって報いられる。~
公的機関では重大な背任について死刑を求刑する国も多く、緊急事態では[[略式の処刑]]も起こりえる。~
また、制度自体も一般に不平等であり、構成員に殉死を強要するような側面もないとは言えない。
>このように、階級制度には人権上の問題を伴うのは明らかだが、公共機関から階級を廃する必要性は認められていない。~
階級制度が抑圧的なのは、組織として最大限の努力を払い、効率の最適化を試みた結果の必然である。~
ことさら、「国民を保護する専門家」の集団である軍隊・警察にあっては、常に最大限の努力と効率が要求される。~
人間がある階級に属する時、その階級に対して求められる責任を果たす能力があるものと期待される。~
一般に階級が高いほど重大な責任能力を要求されるため、階級が高いほど労働報酬も高額になる。~
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実際に仕事を行う上での命令系統については、混乱を避けるために別途の規範が定められる。~
例えば、階級が高いからといって[[陸軍]]の将校が[[海軍]]の部隊に命令を下すことは越権行為であり、罰せられる。~
例えば、階級が高いからといって[[陸軍]]の[[将校]]が[[海軍]]の[[部隊]]に命令を下すことは越権行為であり、罰せられる。~
しかし、想定外の状況や、単に規範が忘れ去られた場合には最も高い階級の者が仮に指揮権を得る。
>というのが原則だが、実態として、不当に濫用されない職権はない。~
階級差による意思疎通の阻害、心理的摩擦や「不当な差別」はどのような社会でも広汎に見られる。
**軍人の階級 [#o539c024]
[[軍隊]]は極めて厳密な階級組織であり、階級制度なくしては成立しない。~
~
各国はそれぞれの事情と伝統から独特の階級制度を定めているが、国際的には以下のような分類が為されている。
:[[士官]]・[[将校]]|軍事的な意志決定、または軍事に伴う専門知識（医療・法律など）の教育を受けた職業軍人。
::[[将官]]|一つの[[軍事]][[作戦]]における最高責任者。将軍[[閣下]]または提督。
::[[佐官]]|一つの現場における[[戦術]]的判断の責任を負う[[士官]]。
::[[尉官]]|個々の現場や設備における管理責任を負う[[士官]]。
:[[士官候補生]]|[[士官]]として教育された学生が卒業後、正式に登用されるまでの過渡期。
:[[准士官]]|正規の専門教育を受けていないが、[[尉官]]に相当するような職責を担う者。制度によって存在しない国もある。
:[[下士官]]|個々の現場における[[兵卒]]の監督責任者。経験豊富な[[兵卒]]から抜擢される。
:[[兵卒]]|専門教育を受けていない軍事的労働者（戦闘員・作業員）。意志決定・計画立案に参与できない。
:[[兵卒]]|専門教育を受けていない軍事的労働者（[[戦闘員]]・作業員）。意志決定・計画立案に参与できない。
**各軍の階級呼称 [#gca48f11]
ここではアメリカ軍・[[NATO>北大西洋条約機構]]・[[大日本帝国陸海軍>日本軍]]及び[[自衛隊]]における階級のおおむねの対比を示す。
|>|階級呼称|アメリカ軍|NATO階級コード|大日本帝国軍|[[自衛隊]]|
|[[士官]]||[[元帥]]|OF-10|[[元帥大将>元帥]]|CENTER:(該当なし)|
|~|[[将官]]|[[大将]]|OF-9|[[大将]]|[[将(甲)>将（自衛官）]]|
|~|~|[[中将]]|OF-8|[[中将]]|[[将(乙)>将（自衛官）]]|
|~|~|[[少将]]/[[上級少将>少将]]|OF-7|[[少将]]|[[将補>将補(自衛官)]]|
|~|~|[[准将]]/[[下級少将>准将]]|OF-6|(該当なし)|一佐((OF-6には編制上将補職の指揮官に就任した一佐(1)のみが対応。))|
|~|[[佐官]]|大佐|OF-5|大佐|~|
|~|~|中佐|OF-4|中佐|二佐|
|~|~|少佐|OF-3|少佐|三佐|
|~|[[尉官]]|大尉|OF-2|大尉|一尉|
|~|~|中尉|OF-1|中尉|二尉|
|~|~|少尉|~|少尉|三尉|
|>|[[准士官]]|一等准尉/一等兵曹長|WO-5|>|CENTER:(該当なし)|
|~|~|二等准尉/二等兵曹長|WO-4|~|~|
|~|~|三等准尉/三等兵曹長|WO-3|~|~|
|~|~|四等准尉/四等兵曹長|WO-2|~|~|
|~|~|五等准尉|WO-1|~|~|
|>|[[下士官]]|陸軍(空軍/海兵隊)[[最先任上級曹長>曹長]]/海軍最先任上等兵曹|OR-9|准尉/兵曹長|准尉|
|~|~|[[部隊等最先任上級曹長>曹長]]/艦隊等最先任上等兵曹|~|~|~|
|~|~|[[上級曹長>曹長]]/最先任上等兵曹|~|~|~|
|~|~|[[一等曹長>曹長]]|OR-8|(該当なし)|曹長|
|~|~|[[曹長]]/上級上等兵曹|~|~|~|
|~|~|一等軍曹/上等兵曹|OR-7|曹長/上等兵曹|一曹|
|~|~|二等軍曹/一等兵曹|OR-6|軍曹/一等兵曹|二曹|
|~|~|三等軍曹/二等兵曹|OR-5|伍長/二等兵曹|三曹|
|~|~|伍長/航空兵長/三等兵曹|OR-4|兵長/水兵長|(該当なし)|
|~|~|特技兵|~|~|~|
|>|[[兵卒]]|上等兵/上等航空兵/上等水兵|OR-3|上等兵/上等水兵|士長|
|~|~|一等兵/一等航空兵/一等水兵|OR-2|一等兵/一等水兵|一士|
|~|~|二等兵/二等航空兵/二等水兵|OR-1|二等兵/二等水兵|二士((2010年10月31日まではこの下に「三士」が存在した。))|
>上記階級呼称の和訳は、古代律令制における官職を当て嵌めて使用しているだけであり、意味の繋がりは無い。
***軍種による呼称のずれ [#d4c2880e]
国によっては、陸軍・空軍と海軍との階級呼称にずれが生じている場合がある。~
スペインのように陸軍、空軍の准将〜大将((''General de ejército''（陸軍）、''General del aire''（空軍）といい、1997年制定。))に対し、海軍の少将〜上級大将((''Almirante general''といい、同じく1997年制定。))という全体的なものから、イタリア軍の様に准将〜少将に対し、少将〜上級少将と部分的なものまでその範囲は区々である。~
また、同じ言語を使用する国でも、スペインでは准将を意味する"General de brigada"がチリ((すぐ下にBrigadier([[代将]])がある。))やアルゼンチンでは少将を意味するような例があるので注意が必要である。
