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【戒厳】 †
martial law.
国の全部または一部地域において、行政権・司法権の全部または一部を軍隊の管理下に置き、法律の一部を強権的に失効させること、またはそのための法令。
より平易に表現すれば、軍隊が「法律よりも我々の命令に従え。従わなければ射殺する」と宣言することである。
事前に制定された法令に基づいて行われ、法令に基づいて終了する場合は特に「戒厳令」という。
法令としてはクーデターや紛争に類する国家の緊急事態でのみ宣言を認めるのが一般的。
ただし、戒厳を宣言する指揮官が特に命じた場合、戒厳を定める法令そのものも失効する。
クーデターの実行者自身が「勝利宣言」として発令する事も多い。
政府の統制が破壊された際、軍隊が独自の判断で国民を保護するために宣言する事もある。
日本においての戒厳 †
現在の日本国に、戒厳について定める法令は存在しない*1。
しかし、かつての太政官制度下・大日本帝国憲法下(1868年〜1945年)では存在し、数回に渡って発令された。
日本史上で戒厳令が発令された事例は以下の通り。
*1 いわゆる有事法制がこれに近いが、これは国会の事前承認に基づく「非常事態権」に類するものとされている。
日本国憲法との整合性の問題があるため、現行法制では戒厳のような本格的な国家緊急権は認められていない。
*2 「天皇は戒厳を宣告する」の意。
*3 「戒厳の要件および効力は、法律をもってこれを定める」の意。