• 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
*&ruby(きゅうほう){【臼砲】};
[[曲射砲]]のうち、砲弾が高角で発射され高い放物線を描くもの。 現存する兵器の中では[[迫撃砲]]が該当する。~
少ない装薬で大きな砲弾を発射するため射程と射撃精度には限界があるが、[[装薬]]が少ないことにより砲身にかかる負荷が小さいため、砲身を薄く軽く作ることが出来る。 又、反動も小さいため砲基部も軽量簡素で済むメリットもある。~
*&ruby(きゅうほう){【臼砲】}; [#ja688dc5]
mortar

[[曲射砲]]のうち、砲弾が高角で発射され高い放物線を描く弾道を前提とするもの。~
現存する兵器の中では[[迫撃砲]]が該当する。~
~
その設計意図は、限られたコストの中で最大限の[[投射弾量]]を確保する事にある。~
反動が許容可能な程度に弱まるまで[[装薬]]を抑え、これによって砲身の軽量化・基部の簡素化を可能とする。~
[[前線]]に輸送できる重量の制約の中で、[[野戦砲]]として最大級の[[破壊力>デストラクションパワー]]を発揮するようにも設計できる。~
また、反動低減により砲弾の外殻も軽量化でき、その分[[榴弾]]の[[爆薬]]などを増量できる。

>冶金学・機械工学が未成熟な時代には、そもそも臼砲でなければ実用不能な場合も多々あった。

もちろん、より重厚な砲で潤沢に[[装薬]]を用いて発射した場合に比べれば[[最大射程]]は如実に悪化する。~
[[有効射程]]は高角で発射すれば多少は補えるが、根本的な[[初活力]]の差は覆せない。~
~
そうした特性のため、機械技術の発達と共に存在意義を失っていき、19世紀頃には完全に過去の遺物となっていた。~
しかしその状況は[[第一次世界大戦]]で覆され、[[塹壕]]などに隠れた敵に上空から[[榴弾]]を投げ込むための火砲として復活を遂げる。~
[[塹壕戦]]においては容易に敵陣近くまで物資を運び込めたため、[[有効射程]]の短さはさしたる問題にはならなかった。

>なお、20世紀以降の近代臼砲を「[[迫撃砲]]」と称するのは日本語特有の表現。~
「迫撃砲」も「臼砲」も英語では同じmortarである。

[[有効射程]]の短さは、特に大口径臼砲においては致命的な問題である。~
このため、[[榴弾砲]]・[[カノン砲]]・[[ロケット弾]]の進歩と共に大型の臼砲は廃れていった。~
一方、過剰な大型化を放棄して十分に軽量化すれば、臼砲は現代でも効率的な兵器である。~
現代の臼砲は主に[[歩兵砲]]として、[[歩兵]]に継続的な[[支援]]火力を提供している。~
~
関連:[[榴弾砲]]


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS