【ヴァージニア】(ヴぁーじにあ)

USS Virginia

アメリカ海軍が調達中の攻撃型原子力潜水艦

本艦は、米ソ冷戦後期の1970年代から調達されていたロサンゼルス級の後継として開発されたものである。
この目的として開発された艦には、1980年代末期に建造されたシーウルフ級があったが、同艦型は 建造コストがあまりにも高価であったため、よりコストを落として数をそろえることを目指した「センチュリオン」計画により開発・建造された。

冷戦終結に伴い、対潜戦闘よりも地域紛争などに対応すべく、設計段階から陸上攻撃能力やSEALs輸送能力などが採り入れられている。
また、沿岸など浅深度での対機雷・航行能力向上のために特殊なソナーを装備し、海底を映像化することで機雷や障害物を精密に探知できる。
水中静粛性もシーウルフ級以上であるが、その他の性能はシーウルフ級より一段落とされている。

なお、本級のコンピュータは軍用品ではなく商用品を採用し、コストを削減しているのが特徴的である。
軍用品に比べ信頼性は落ちるものの、パーツの交換が容易なモジュール構造であるため、互換性は高く、アップグレードを容易にしている。

搭載艇として小型潜水艇「ASDS*1」が計画されていたが、技術的問題や信頼性、コストの問題で計画中止になっている。

スペックデータ

全長114.8m
全幅10.4m
吃水9.3m
水中排水量7,800t
主機関原子力ギアードタービン(40,000shp)1軸推進
GE S9G加圧水型原子炉×1基/蒸気タービン×2基
最大速力25kt(水中・公表値)/34kt(水中・推定値)
潜行深度約488m
乗員134名
兵装533mm水圧式魚雷発射管×4門(Mk.48誘導魚雷・UGM-84機雷を搭載)
BGM-109VLS×12基
搭載人員SEALs×40人


同型艦

  • Block1
    艦番号艦名主造船所起工進水就役
    SS-774ヴァージニア
    (USS Virginia)
    エレクトリック・ボート2000.9.22003.8.162004.10.23・
    SS-775テキサス
    (USS Texas)
    ニューポート・ニューズ2003.7.122006.4.92006.9.9
    SS-776ハワイ
    (USS Hawaii)
    エレクトリック・ボート2004.8.272006.6.172007.5.5
    SS-777ノースカロライナ
    (USS North Carolina)
    ニューポート・ニューズ2004.5.222007.4.212008.5.3
  • Block2
    艦番号艦名主造船所起工進水就役
    SS-778ニューハンプシャー
    (USS New Hampshire)
    エレクトリック・ボート2007.4.302008.2.212008.10.25
    SS-779ニューメキシコ
    (USS New Mexico)
    ニューポート・ニューズ2008.4.122009.1.182010.3.27
    SS-780ミズーリ
    (USS Missouri)
    エレクトリック・ボート2008.9.272009.12.52010.7.31
    SS-781カルフォルニア
    (USS California)
    ニューポート・ニューズ2009.5.12010.11.142011.10.29
    SS-782ミシシッピ
    (USS Mississippi)
    エレクトリック・ボート2006.12.2010.6.92012.6.2
    SS-783ミネソタ
    (USS Minnesota)
    ニューポート・ニューズ2008.2.2011.5.202013.4.(予定)

  • Block3(発注中)
    艦番号艦名主造船所起工進水就役
    SSN-784ノースダコタ
    (USS North Dakota)
    エレクトリック・ボート2008.2.2014.8.(予定)
    SSN-785ジョン・ウォーナー
    (USS John Warner)
    ニューポート・ニューズ2010年(予定)2015.(予定)


*1 Advanced SEAL Delivery System:改良型SEAL輸送システム。

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