【ロケット弾】(ろけっとだん)

外部からの衝撃ではなく、内蔵されたロケットエンジンで飛翔する砲弾。
弾体に安定翼を取り付けるか、排気を螺旋状に噴射して回転しながら飛ぶ事で軌道を安定させる。
ただ安定して飛ぶだけで、高価な電子機器類は内蔵しない。飛翔中に電子制御を行うものはミサイルとして区別される。

装薬の爆発による反動が発生しないため、発射機が極めて軽量なのが特徴。
また、機構のほぼ全てが弾体そのものに内蔵され、1発辺りの単価も安いため多数を束ねて大量投入する事ができる。

例えば、MLRSは一両に12筒の発射機を持ち、その全てを同時発射できる。
しかし、同じ車体に同等の榴弾砲を12連装などしようものなら車体が潰れてしまうだろう。

反面で、弾体を飛翔させるのに大量の燃料を必要とするため、個々の弾は非常に重くかさばる。
少ない装弾数を短時間で撃ち尽くす用途に適するが、継続的に射撃を続けるような任務には不向き。
また、現代では誘導装置を搭載して自ら標的を追うミサイルに置換されつつある。

しかし、電子的な誘導装置は非常に高価なため、現代でも歩兵用、あるいは制圧射撃用として広く運用される。
特に歩兵用のロケット弾は、戦車トーチカを含めてあらゆる目標に有効な多目的兵器として活用されている。

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