*&ruby(れきしんとん){【レキシントン】}; [#r182ff1a]
Lexington~
アメリカ合衆国に多数存在する地名。~
特にマサチューセッツ州の、アメリカ独立戦争の火蓋を切った「レキシントンの戦い」が行なわれた地が知られる。~

+CC-1 USS Lexington~
[[アメリカ海軍]]が[[第一次世界大戦]]後の1910年代末期、「三年計画(ダニエルズ・プラン)」に基づいて計画した[[巡洋戦艦]]。~
同型艦に「[[コンステレーション(CC-2)>コンステレーション]]」「サラトガ(CC-3)」「[[レンジャー(CC-4)>レンジャー]]」「コンスティチューション(CC-5)」「[[ユナイテッド・ステーツ(CC-6)>ユナイテッド・ステーツ]]」の5隻があった。~
1923年、[[ワシントン海軍軍縮条約]]の発効により巡洋戦艦として保有できなくなり、3番艦の「サラトガ」と共に後述の[[航空母艦]]へ改装された。~
なお、残りの4隻はそのまま廃棄された。~
~
本艦型がキャンセルとなった後、米海軍は巡洋戦艦を造らなかったため、米海軍初にして最後の巡洋戦艦となった。~
~
|>|CENTER:''スペックデータ''|
|[[常備排水量]]|43,500t|
|全長|266.5m|
|全幅|32.2m|
|喫水|9.1m|
|機関|蒸気ターボエレクトリック方式(出力180,000hp) &br;ボイラー×16缶・4軸推進|
|最大速力|33.3[[ノット]]|
|[[航続距離]]|10ノット/12,000海里|
|乗員|1,297名|
|兵装|Mk.2 50口径16インチ(40.6cm)連装砲×4基&br;15.2cm単装砲×16基&br;7.6cm単装[[高角砲>高射砲]]×6基&br;21インチ(533mm)魚雷発射管×8門|
|[[装甲]]|水線:178mm&br;甲板:64mm&br;バーベット部:130〜230mm&br;砲塔前盾:280mm&br;司令塔:305mm|
~
|>|>|>|>|CENTER:''同型艦''|
|艦番号|艦名|起工|建造中止|備考|
|CC-1|レキシントン|1921.1.8|-|[[航空母艦]]に転用|
|CC-2|[[コンステレーション]]|1920.8.|1923.8.|廃棄|
|CC-3|サラトガ|1920.9.25|-|航空母艦に転用|
|CC-4|[[レンジャー]]|1921.6.|1923.8.|廃棄|
|CC-5|コンステイチュション|1920.9.|~|~|
|CC-6|[[ユナイテッド・ステーツ]]|~|~|~|
~
+CV-2 USS Lexington~
[[アメリカ海軍]]が『[[ラングレー(CV-1)>ラングレー]]』に引き続き建造した[[航空母艦]]。~
同型艦に「サラトガ(CV-3)」がある。~
上記1.の通り、当初は[[巡洋戦艦]](CC-1)として建造が開始されたが、[[ワシントン海軍軍縮条約]]の締結により建造が不可能となったため、建造途中で空母に変更された。((同様に[[戦艦]]や[[巡洋戦艦]]から空母へ変更された艦としては、日本海軍の「[[赤城]]」・「[[加賀]]」、フランス海軍の「[[ベアルン]]」などが存在する。))~
このため[[基準排水量]]約36,000トンと、『ラングレー』を遥かに上回る巨艦となった((条約で許されたトン数は33,000トンであり、これに合わせた改設計がなされたが、実際は制限を大きく上回ってしまったという。))。~
[[巡洋戦艦]]として起工されたため[[速度]]性能が重視され、非常に多数のボイラーと[[電動機]]を組み合わせたターボ・エレクトリック機関が採用された。~
莫大な排煙を処理するために造られた、艦橋よりも遥かに大きい、巨大な煙突が外観上の特徴になっている。~
特殊な経緯で建造されたため本級限りの特徴も多いが、耐波性に優れたエンクローズド・バウ(密閉式艦首)や、大きな上部構造物を[[飛行甲板]]右舷側に細長くまとめたアイランドなど、その後のアメリカ空母で標準となる要素も多く確立された。~
~
条約失効後の1936年には[[飛行甲板]]の拡張などを施し、更に大型化している。~
最終的な[[満載排水量]]は実に50,900トンとされており、[[ミッドウェイ級>ミッドウェイ]]が登場するまではアメリカ最大級の空母であった。~
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[[太平洋戦争]]の初期には、[[ヨークタウン級>ヨークタウン]]と並び重要な戦力と位置づけられた。~
1942年の[[珊瑚海海戦]]では[[ヨークタウン]]と共同で日本海軍の航空母艦「[[祥鳳]]」を撃沈、「[[翔鶴]]」に損害を与えた。~
その際、日本機の攻撃で[[爆弾]]2発と[[魚雷]]2本の直撃を受けたが、一旦は[[ダメージコントロール]]に成功して持ち直した。~
しかしながら[[艦載機]]を収容後、航空ガソリンに引火し大爆発を起こしてしまった。~
本級はアメリカの空母としては唯一密閉型の格納庫を持っており、被弾によって漏れて気化したガソリンが充満していたのである。~
この爆発で大火災が起きて鎮火不可能になり、[[ポーター型>ポーター]][[駆逐艦]]「フォルプス(USS Felps,DD-360)」の雷撃によって自沈処分された。~
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一方同型艦の『サラトガ』は[[ミッドウェー海戦]]や[[第二次ソロモン海戦]]など、主要な戦いに参加し、度重なる戦闘で幾度も損傷しながら、終戦近くまで戦い抜いた。~
しかし、1945年の[[硫黄島の戦い]]で[[特攻機]]の直撃を受け大破、修理が完了し真珠湾に戻ったころには日本海軍はほぼ壊滅状態であったため、そのまま作戦に復帰せず終戦を迎えた。~
その後、アメリカ本土に戻る[[復員]]兵の輸送を行った。~
1946年には[[原爆>原子爆弾]]実験「[[クロスロード作戦]]」の標的となり、ビキニ環礁へと沈んだ。~
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|>|CENTER:''スペックデータ''|
|[[排水量]]&br;(建造/[[基準>基準排水量]]/常備/[[満載>満載排水量]]/最大)|34,067t/36,000t/41,187t/43,054t/47,879t|
|全長|270.66m|
|水線長|259.08m|
|全幅|32.30m|
|水線幅|32.1m|
|吃水|7.39m|
|飛行甲板&br;(全長/全幅)|264m/32.38m|
|機関|ターボエレクトリック方式・4軸推進|
|~|ヤーロウ式罐・重油専燃×16基&br;ホワイト・フォスター罐・重油専燃×16基(サラトガ)|
|~|ゼネラルエレクトリック式電気駆動[[蒸気タービン]]×4基|
|出力&br;(設計/公試)|180,000shp/212,702shp|
|速力&br;(設計/公試)|33.25ノット/34.99ノット|
|[[航続距離]]|10ノット/10,000[[海里]](設計)&br;11ノット/10,950海里&br;15ノット/9,490海里|
|乗員|士官、兵員2,122名|
|武装|55口径8インチ(200mm)連装砲×8門&br;5インチ(130mm)単装[[高角砲>高射砲]]×12門|
|搭載機((露天駐機を含む。))|78機&br;93機(最大)((サラトガ、1942年[VF-2:F4F×26機、VB-3:SBD-3×22機、VS-3:SBD-3×27機、VT-3:TBD-1×18機]補用機及び練習機等の記載は無し。))|
|装備|[[エレベーター]]×2基&br;[[カタパルト]]×1基|
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|>|>|>|>|>|>|>|CENTER:''同型艦''|
|艦番号|艦名|主造船所|起工|進水|就役|退役|備考|
|CV-2|レキシントン&br;(USS Lexington)|フォアリバー造船|1921.1.8|1925.10.3|1927.12.14|1942.6.24|珊瑚海海戦で&br;1942.5.8沈没|
|CV-3|サラトガ&br;(USS Saratoga)|ニューヨーク造船所|1920.9.25|1925.4.7|1927.11.16|1946.8.15|原爆実験で&br;1946.7.25沈没|
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+CV-16 USS Lexington~
[[エセックス級>エセックス]][[航空母艦]]の8番艦(([[タイコンデロガ]]級を除いた場合は6番艦となる。))。~
主造船所はベスレヘム・スチール社。~
当初は『カボット』の名前が与えられる予定だったが、戦没したCV-2から襲名することになった。((この艦名は後にCVL-28([[インディペンデンス級>インディペンデンス]]。後に[[スペイン海軍>無敵艦隊]]に譲渡される)へ与えられている。))~
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1943年就役、1962年に[[攻撃空母]]から練習空母に変更。~
1978年には着艦練習艦に変更され、1991年まで現役にとどまった。~
現在はテキサス州コーパスクリスティで博物館として公開されている。~
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